僕はギャンブル依存症だ、パチンコ、競馬、競輪、競艇、違法賭博、そんな生易しいギャンブルではない、賭けているものはお金ではなくて命だ、この作品『ノラリズム』に僕の命と嫁の命をフルベットしている、この賭けに負けたら一家路頭に迷う、恐らく嫁は僕に愛想を尽かせて離婚するだろう、それでもいい、人生の全てを賭けてノラリズムを描いている、こんなヒリヒリする博打が他にあるだろうか?そうさ、自分の人生だけではなく勝手に嫁の人生まで賭けているのだから究極の自分勝手、独りよがりだ、僕はそもそも結婚に向いていなかったのだ、そんな話を神妙に語り自分に酔って心の中で「キマッた」とガッツポーズをした、あとはクールにお茶を一口飲んでニヒルに「ふっ…」と笑えば完璧である、コップを手に取り持ち上げたらコースターが引っ付いてきた、これはダサい、ここぞという時にカッコが付かない僕は流石である。