鼻毛一本の破壊力は凄まじい、先週の日曜日、僕の行きつけの友人が経営しているバーで一人烏龍茶を飲みながら妄想に浸っていたら、美しい女性が話しかけてくれた、まんざらでもない僕は浮ついた気持ちを必死に抑えてなるべく平常心で彼女の話に耳を傾けた、仕事の愚痴や元カレの至らなさや初対面ではおよそ話さない内容の話をしてくれたので、この方は僕に心を開いているなと、ワンチャンいけるかな?と、思い切って彼女の顔をまじまじと見詰めたら、一本、物凄い鼻毛が飛び出していた、その鼻毛はまるでひじきのように太く、その存在感を遺憾なく発揮していた、百年の恋も一瞬で冷めるとはこの事で、さっきまで浮ついていた恋心は桜のように儚く散った、どんなに美人でも、どんなにイケメンでも、鼻毛一本で終わりである、それだけ鼻毛には破壊力がある、その鼻毛を凌駕するほど気にしなくてはならい事が、僕には沢山あるのか。