「ジブリの中で何が一番好きですか?」またこの質問か、会話に困った時に出るベタベタの質問だ、大阪梅田にあるOWLというクラブで一人静かに音楽を聴きながら煙草をふかしていたら酔っ払いの女性が声を掛けてきたのだ、大音量の中で会話するのは本当に煩わしい、「紅の豚」早くあっちに行って欲しいので最小限の一言だけで答えた、「えーだから夜なのにグラサンしてるんですか?」この質問も何百回とされてきた、僕は対人恐怖症と視線恐怖症を患っているので昼夜問わずグラサンが欠かせない、コンプレックスの目つきも隠せて一石二鳥だ、ここで馬鹿正直に答えて会話を膨らませたくなかったので嘘を吐くことにした「仕事柄、暗闇に目を慣らしている」女性は不思議そうに食いついてきた「えーお仕事何されてるんですか~?」グラサンを取って女性の目を見て一言「殺し屋」、酔いが覚めたのか気まずそうにあっちに行ってくれた。