僕は狐を飼っている、「る~るるるるる」とか言って懐かせいる訳ではない、物理的な意味ではなくスピリチュアル的に飼っているのだ、中学生の頃、友達四人で禁断の魔術こっくりさんをやってしまったのだ、最初は遊び半分でやっていたのだが僕たちが指を置いた十円玉が「こ・ろ・す」と出てしまい怖くなって終了の儀式をしないまま逃げ帰ってしまった、その事をオカンに言ったら烈火の如く怒られて翌日、新興宗教団体に連れて行かれた、いかにも怪しそうな教祖様と思わしきオジサンが僕を見るなり開口一番「君、狐が憑いているね」と言われた、除霊をするのに100万円かかると言われ、オカンは苦虫を嚙み潰したような顔をして僕に「あんた、狐飼っとき!」と悪霊に取り憑かれた僕は母親に見捨てられてしまった、その日から狐との生活が始まった、45歳にもなってうつ病で無職なのは飼っている狐のイタズラかもしれない。