顔面潔癖症である、地面に直接座れるし、電車のつり革も掴めるし、公衆トイレの便器も躊躇なく座れる、でも顔面の衛生状態は異常なまでに神経質になる、これは学生の頃のトラウマに起因する、思春期真っ盛りの頃、友達の顔にできたニキビを触って遊んでいた、その手で自分の顔を触ったら、翌朝そこにニキビができていた、そのニキビは一つが二つになり、二つが四つになり、鼠算式に増殖して、僕の顔面はニキビ畑になってしまった、ニキビをこじらせた経験のある方なら理解して頂けるだろうが、ニキビは顔に一つできただけでその日のテンションはダダ下がりになる、そのニキビが顔面を覆いつくしているのだから、精神状態はグチャグチャでいつも「死にたい」と思っていた、僕の青春はニキビに奪われたのである、だから今でも顔に何か触れると恐怖心に襲われる、蜘蛛の糸が顔に引っ付いたら気が狂ってしまうのも仕方がない。