ちゃんとした大人にガチギレされたことがある、僕には隠れた趣味があって、それが知恵の輪を外すという事である、パーティーグッズ売り場に少しお高めの大人の知恵の輪が売ってあって、そのシリーズを毎回買って外すのが楽しいのである、外れた時の達成感、満足感、歓喜と興奮、知恵の輪を考案したデザイナーに打ち勝った優越感、この喜びを職場の先輩と共有したいと思い呑みの席に持って行ったことがある、先輩はあまり興味が無いのか知恵の輪を少しいじくっては酒を飲み「難しいな」とぼやいている、僕はもっと真剣に取り組んで欲しいなとやきもきしながら眺めていて先輩のイライラがピークに達して「これどうやって外すねん?」と言ってきたので僕は得意げに「知恵です」と答えたらガチギレされた、僕は無意識の内に先輩に対して知恵の輪マウンティングをとっていたのだ、社会不適合者の今となっては悲しい笑い話である。