「浮気したやろ!?」玄関を開けると嫁が駆け寄って来て言い放った、潔白の僕は何の事やらさっぱり分からずポカンとしていたら「女の匂いがするで!」と続けた、僕は考えた、さっきまで行きつけの飲み屋で常連同士クイズ大会をしていて確か女の子とハイタッチをした、ハンドクリームの香りがその時に移ったのだろう、「これ?」と右手を差し出し事情を説明したら納得して貰えた、凄い豚の嗅覚だ、きっと僕は一生浮気を出来ないだろうな…、そんな僕でもたまに浮気をする、それは嫁以外の豚の手にむしゃぶり付く事だ、豚足を食べるという事は我が家にとって浮気である、僕は豚足が大好物だ、ケダモノに戻って汚らしく豚足に齧り付く行為は原始時代への回帰である、恐らくこの地球上に豚足を綺麗に食べられる人間はいないであろう、そんな姿を子豚の嫁に見られたくない、豚足は隠れてこっそり食べるのが我が家のマナーである。