前回までは、米や柿、蕎麦など、

食べ物ができる過程で使う「水」を変えたら、何が起きるのかを見てきました。


では、そもそも。


「水を変える」とは、どういうことなのでしょうか。


薬品を加えるのか。
熱を加えるのか。
ろ過するのか。


著者が水に働きかける方法として選んだものの一つが、


セラミックスでした。



ここから話は、農業や食の実験から一歩進み、
水を処理するための技術そのものへと入っていきます。


著書の第3章に登場するのが、著者が「デン・テスラ」と呼ぶ水処理技術の特許です。


水の集まりを小さくするのは難しい


著書では、水分子が集まった状態を「クラスター」と表現しています。


そして著者は、水分子同士が強く引き合っているため、その集合状態を細かく分散させることは簡単ではない、と説明しています。


一方で、著書では温度が高くなると分子運動が大きくなり、水の集合状態にも変化が起こるという考え方が示されています。


しかし、この特許で著者が中心に置いたのは、

熱を加えて水を変化させる方法ではありませんでした。


著書では、セラミックスから放射される赤外線を利用して水分子を振動させる、という方法を採用したと説明されています。


つまり、著者が特許の中心に置いたのは、


「熱を加える」のではなく、セラミックスからの赤外線による振動を利用する


という発想でした。


なぜセラミックスなのか


ここで一つ疑問が出てきます。


なぜ、セラミックスなのでしょうか。


著者が重視した要素の一つが、


赤外線の「放射率」


でした。


著書では、より多くの赤外線を放射させるため、放射率の高いセラミックス材料を使う、あるいは放射率が高くなるよう成分を構成することが重要だと説明されています。


しかし、放射率だけではありません。


もう一つ重要とされたのが、


表面積です。


著者の考え方では、


放射率を高めること。


そして、赤外線を放射する表面積を大きくすること。

この二つを組み合わせることが、セラミックス設計の重要なポイントでした。


表面積を増やすための「多孔質」


では、同じ大きさのセラミックスで表面積を増やすには、どうすればいいのでしょうか。


著書に登場するのが、


多孔質


という構造です。



細かな材料を集めて造粒することで、内部に小さな穴が数多く存在する構造をつくる。


すると、外側だけが表面になるのではなく、内部にも表面が生まれます。


著書では、この構造によって大きな表面積をつくり出すという考え方が説明されています。


つまり、


素材そのものだけでなく、「形」まで設計する。


ここが、この技術のおもしろいところです。


材料を混ぜ、焼いてつくる


使用する材料についても、著書には具体的な記述があります。


二酸化ケイ素やアルミナ、酸化鉄などを含む微粒子を使い、水と混ぜて造粒し、乾燥させ、その後に焼成する。


焼成温度については、およそ1000〜1200℃と記されています。


つまり、


材料を選ぶ。

粒の大きさを考える。

形をつくる。
穴を増やす。
そして焼く。


単に「セラミックスを水に入れる」という話ではなく、


水にどう働きかけるかを考えながら、一つひとつ条件を組み上げていった


ということです。


「0.96」という数字


こうして作られたセラミックスについて、著書には具体的な数値も登場します。


赤外線放射率「0.96」


です。



著書には、完成したセラミックスが0.96という放射率を示したと記されています。


ここまでを見ると、この特許で重視されていたのは、

「特別な材料を使うこと」だけではないことが分かります。


材料。
放射率。
表面積。
構造。
焼成。


それぞれを組み合わせて、水へ働きかけるためのセラミックスを設計していく。


そこに、著者の発明の考え方が見えてきます。


では、実際に水はどうなったのか


ここまで見てきたのは、


「どうやって水に働きかけようとしたのか」


という設計の話です。


では、このセラミックスを実際に水へ入れたとき、著書にはどのような変化が記されているのでしょうか。


次回は、


水道水のクラスターについて、特許明細書にはどのような数字が記されていたのか。


さらに、セラミックスを水から取り出した後について、著者がどのような観察をしていたのか。


第3章の「結果」の部分を見ていきます。