前回までは、著者が考案した水の処理方法と、


その水にどのような変化が見られたのかを追ってきました。


ここから、話が少し変わります。


水そのものを調べるだけではなく、


「その水を、人が実際に飲んだらどうなるのか」


という検証へ進んでいくのです。




■ 12人が、2か月間飲み続けた


著書に登場するのは、


九州女子短期大学のエアロビクスインストラクター養成コースに所属していた女子学生12人です。


この12人が、著者の特許によってつくられた水を、


1日約1.2リットル、2か月間飲用。


そして、最大酸素摂取量がどのように変化したのかを


調べました。



著書に記されている結果は、


12人平均で13.26%上昇。


著者はこの数字について、


運動生理学、スポーツ医学では「極めて考えにくい数字であるという評価であった」と記しています。


13.26%。


かなり目を引く数字です。


ただ、この数字だけを切り取って、


「この水を飲めば誰でも13.26%上がる」


と考えるのは違います。


これはあくまで、著書に残されている一つの試験結果です。


DEN LABでは、結果をそのまま紹介しながら、


著者がそこから何を考えたのかまで追っていきます。



■ 著者は、この数字をどう見たのか


では、著者はこの結果をどう考えたのでしょうか。


著書では、水のクラスターが小さくなったことで、


血液が毛細血管まで行き渡りやすくなったのではないかと考察しています。


そして、それが最大酸素摂取量の増加につながったのではないか。


著者は、そのように考えました。


ここは分けて読む必要があります。


「12人平均で13.26%上昇した」というのは、


著書に記載されている測定結果。


一方で、


「なぜそうなったのか」


については、著者による考察です。


結果と考察は同じではありません。


ここを混ぜずに読むことで、


著者がどのように研究を進めていったのかが見えてきます。



■ そして4年後、追試へ


著書によれば、


この水処理方法の特許が出願されたのは1996年6月21日。


それから4年後の2000年。


今度は、この特許データをもとにした追試が行われました。


対象となったのは、


大学の水泳部に所属する4人の選手です。



選手たちは規定されたペースで2500メートルを泳ぎ、


500メートルごとに指先から採血。


同時に心拍数も測定しました。


最初は、12人に2か月間水を飲んでもらい、


最大酸素摂取量の変化を見る試験でした。


そこから今度は、


実際に運動をしている最中の体に、


どんな変化が現れるのか。


そこまで調べるようになっていきます。



■ 同じ距離を泳いだのに、違いが出た


同じ選手が、


同じように2500メートルを泳ぐ。


それなのに、


水を常飲する前と後で、


測定結果に違いが現れました。


そこで著者が次に注目したのが、


乳酸と心拍数です。





なぜ、同じ距離を泳いでいるのに違いが出たのか。


その数字は何を意味するのか。



そして著者は、


水と運動能力の間に何を見たのか。


セラミックスを使った水処理から始まり、


水そのものを調べ、


今度は人が飲んだときの変化を測る。


一つの結果が出ると、


そこからまた次の「なぜ?」が生まれていきます。


著書を順番に読んでいくと、


この研究の進み方そのものが面白くなってきます。


次回は、水泳選手4人の追試で見られたデータを、


もう少し詳しく見ていきます。




次回|第10回

「乳酸が上がりにくい」という結果は何を意味するのか