昨年末に、「半額以下になるのを待って冷凍おせちを購入し酒の肴として少しずつ食べるのを趣味とする友人」の話を少し書きました。

この「通人」にふたたび話を聞いてみたところ、なかなか興味深いことを教えてくれたので書いてみます。

 


「通人」によれば、今年は半額おせちハンターにとっては空前絶後といっていいような最高の環境にあるとのこと。

なんでも、去年、おととしと、通販を含めたおせちの大ブームがあったそうで、特に2020年末は通販おせちがクリスマス前に品切れになるという異常事態が生じたのだとか。

2021年末は、前年度の経験から通販おせち業者さんたちも製造量を増やしたらしく、年末年始にかけて少しは半額おせちが出回ったそうなのですが、2022年末にはたいへんなことになったのだそうです。

まず業者さんですが、通人いわく、冷凍おせちは春先から作り始めるため、前年度の傾向に合わせて発注・製造するのが普通であり、2年続いたブームに加え、2023年正月は久しぶりに家族等で集まる機会が増えるだろうとの読みから、3~4人前程度の大きなおせちが大量に製造されたらしいといいます。

一方、消費者側のおせちブームは収束してしまっていた上に、第八波の影響もあって、特に今シーズンの大型おせちの売れ行きはふるわなかっただろうといいます。

つまり、2022-2023年度の通販おせちについては、製造量と販売量のあいだに大きなギャップが生まれてしまったはずだというのです。
 

受注量の伸び悩みからでしょう、このギャップに早めに気づいた一部の業者さんは、すでにクリスマス前から在庫処分をはじめていたといいます。

 

「通人」自身も、年末にはこの半額おせちを購入して年始は主にこれらを賞味していたというのですが、正月休みをはさんだあと、6日あたりを境にして、半額以下のおせちが、次元のちがうレベルで市場に出るようになったのだそうです。

そのきっかけになったのは、朝の情報番組で「おそち」が扱われたことだろうといっていましたが、おそらくその番組をきっかけに、堰を切ったようにすごい数のおせちの在庫が放流されはじめたのだそうです。

「通人」の読みでは、放出される在庫の数はおそらく数千にのぼるだろうとのこと。一方、彼のような「通」は国内にせいぜい百人程度だろうといいますから、とても愛好家だけでは買いきれず、需給のすさまじいギャップは到底産められないだろうというのです。

彼としてはよりどりみどりで大喜びとはいえ、冷凍庫のキャパシティもあり、さすがに三段重を10も20も買うわけには行かないとのことで、フードロスを少しでも減らすという観点からも、買ってみてはどうかと強く勧められました。

なお、今回の大ダメージにより、2023-2024年度の通販おせちは量がしぼられるだろうし、「今」から1月いっぱいがまさにラストチャンスだろうとのことです。

そこまでいわれたので、お付き合いで定価の3分の1になっているものをひとつ頼んでみました。年末年始はおなかを壊していたため、今年のおせちは旧暦でという感じです。