全てのアーティストがそうではないかも知れないが、大部分のその種の者は作品に「心血を注いで」いる。「心血を注ぐ」とは、命を削ったり命懸けで臨んだりすることでもある。そしてそれらの作品は多分において観て(接して)ほしいから、この世に送り出されている。
作品とはこの場合、売られているレコード(映像・音)や画像・絵画・立体物・印刷物も、生のステージ(舞台)・展覧会・発表会(ショー)、料理なども含まれる。
そんなアーティスト(またはエンターテイナー)たちに言ってはいけない言葉、それは
*「残念ながら今回は観られない(聴けない・行けない)です」
*「観られません(聴けません・行けません)でした」
*「観ない(聴かない・行かない)と思います」
・・・こういう類の言葉である。
時間や金銭の事情があって「本当はとても観たかった(接したかった)」のにそれが叶わず、そんな気持ちだけでも伝えようと、ほとんどの人は悪気なくむしろ応援の気持ちでそういう言葉をアーティスト(またはエンターテイナー)たちに発しているのだと思う。でも、そんなことは分かっていても、実はその類の言葉を聞いてほとんどのアーティスト(またはエンターテイナー)たちは嬉しくないのである。…というよりもがっかりすることが多いのだ。これは知っておくとためになると思う。
なぜか?「心血を注いで」生み出した作品はオン・タイムであろうが無かろうが、観て(聴いて・接して)もらってなんぼ、だからである。そこにその時の作者(演者)の魂(生きていた証し)が存在するからである。
もう少し簡単な言い方をすると「あんなに精魂こめて作った(演った)のに、観て(接して)もらえないんだ…どんな理由があれ」ということだ。
色んな人に色んな事情があって、意に反して観られない(聴けない・行けない)のは事実なのだから仕方がないとして、吾輩が言いたいのは、そのことはその人の心の中に納めてもらい、作者(演者)にはわざわざ伝えないほうが良いよ、ということなのである。
え~と、もう少し簡単な言い方をすると…、一所懸命手紙を書いて「ああ、ごめん今回は読めなかった」と言われたり、一所懸命料理を作って持っていったら、後になって「結局食べないと思います」と言われたり。例え事実がそうでも「それは言わないでほしかった」と思うでしょう?という感じのそれがプロの場合の感じ。
ためになったかな? ちょっと難しかったかな?
ではまたWeb Rock!