2018年10月24日(水)  19:00
2018アジア・チャンピオンズリーグ準決勝 第2戦 (水原ワールドカップ競技場、10,296人、晴)

鹿島アントラーズ 3-3 水原三星

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AFCチャンピオンズリーグ(ACL)は24日、韓国・水原ワールドカップスタジアムで準決勝第2戦が行われ、鹿島アントラーズは水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスと3-3で引き分けたが、2戦合計6-5としてクラブ初のACL決勝進出を果たした。

まさにクラブ史に残る激闘だった。
鹿島は前半に1点を奪って優位に立ったものの、後半の立ち上がりに連続3失点。だが、そこから2点を返し、ついに2戦合計スコアで上回った。準決勝第1戦からの壮絶な点の取り合いを制した鹿島は、悲願のアジアチャンピオンに大きく前進した。


試合を振り返るが、詳細については中継を観ていた方のリポートに任せたい。

昨夜の水原戦には約300人のアントラーズサポーターがかけつけたが、試合前からゴール裏のテンションは非常に高かった。

ACLアウェー戦では珍しく、コンコース上でサポーター全員参加のミーティングが行われ、最後にみんなで円陣を組んだ。それから全員が「ロール」を歌いながら行進するようにスタンドになだれ込み、早くから応援が始まった。

言いようのない緊張感の中、キックオフ。
立ち上がりこそ様子見ムードだったが、徐々に激しい攻防が繰り広げられる。双方とも流れをつかめない中、セットプレーから鹿島が先制点を奪う。

前半25分、左サイドでFKを獲得。セルジーニョが左足でクロスを入れると、これを山本脩斗がヘッドで叩き込み、鹿島が幸先よく先制点をゲット。リードしたことに、まずは安堵。そのまま鹿島の1点リードで折り返す。

2戦合計4-2として後半を迎えたが、ここから一気に悪夢のような時間帯に突入する。水原は後半開始早々からロングボールとサイドからの素早い突破を起点に攻勢をかけた。

後半7分、ヨム・ギフンのヘディングシュートのこぼれ球をイム・サンヒョプに押し込まれ、1-1(2戦合計4-3)とされる。

さらに1分後の後半8分、相手CKからチョ・ソンジンにヘディングシュートを叩き込まれ、たった2分間で水原に逆転されてしまう。

この時点の2戦合計スコアは4-4だが、アウェーゴールの差により、このままでは鹿島の敗退が決まってしまう。

水原の攻勢はさらに続く。後半13分、鹿島の守護神クォン・スンテのスーパーセーブで難を逃れたが、直後の後半15分、スルーパスをもらった水原のエース・ダムヤノビッチにシュートを決められ、この試合は1-3。2戦合計でも4-5となり、鹿島は苦しい状況に追い込まれた。

後がなくなった鹿島の選手は円陣を組んだ。こちらからも「まだ諦めないぞ!」という選手の強い意思が感じられた。

そして後半19分、安西幸輝のクロスをセルジーニョが頭で後ろに送ると、西大伍が落ち着いてゴールに決め、2戦合計スコアが5-5となった。さきほどまで沸いていたホーム水原サポーターも意気消沈。この段階で準決勝の戦いは振り出しに戻った。

ここから決勝進出に向け、両チームの意地と意地のぶつかり合いになった。だが一時の水原の勢いが徐々に落ちてくる。そして、ついに決勝進出を呼び込むゴールが生まれた。

後半37分、西のスローインを起点に、鈴木優磨が触ったボールをセルジーニョがゴールに突き刺した。

これで鹿島は2戦合計スコアを6-5とし、残り8分で再び優位に立った。最後は「鹿島る」体制に入り、結局、この試合は3-3で終了。2戦合計6-5と勝ち越した鹿島が、クラブ初となるACL決勝行きの切符を手に入れた。

後半に連続3失点した時でも、選手、サポーターは決して勝負を諦めなかった。第1戦と同様、第2戦も打ち合いとなったが、リードを奪われても1点を返せば何か起きそうだという予感があった。

その後、西大伍が1点を返し、この時点で2戦合計スコアはタイに。そしてセルジーニョの「決勝ゴール」が決まった瞬間、ゴール裏の興奮は頂点に達した。

終了のホイッスルが鳴ると、サポーターは喜びを爆発させたが、中には感極まって涙を流している者もいた。こういった痺れるような感覚は絶対に現場でしか味わえない。

試合終了後、死闘を繰り広げた両クラブの選手が、握手しながら互いの健闘を讃え合った。この思いもしなかった光景を目の当たりにし、なんだか涙腺が緩んでしまった。

水原と戦った鹿島は、韓国マスコミでも高く評価されているという。試合前は第1戦でのクォン・スンテの頭突きばかりが取り上げられていたが、死闘を制した鹿島の戦いぶりを好意的に取り上げている現地紙もあった。それくらい鹿島が見事なゲームをしたということかもしれない。

内田篤人、中村充孝に続いて遠藤康まで離脱。さらに、U19代表招集で安部裕葵も欠いた鹿島。メンバーが揃わず、チーム状態もあまり良くない中、出場した選手は最後まで本当によく頑張った。

過去のACLを振り返っても、アウェーで3失点して勝ち抜いたというのは滅多にないケース。現地まで赴いたアントラーズサポーターは、生涯忘れられない貴重な体験をしたと思う。

第1戦から続く失点の多さは課題だけど、それより鹿島の諦めない気持ちと勝負強さを高く評価したい。並のチームなら、3点目を取られた時点で終わりだが、鹿島の底力は素晴らしいの一言。勝利のためにチーム一丸となって戦う伝統のジーコイズムは、脈々と受け継がれているとあらためて感じた。


最後に。
今季のACLの功労者は、セルジーニョと鈴木優磨だ。途中加入のセルジーニョは決勝トーナメントで抜群の決定力を発揮して鹿島を何度も勝利に導いた。おそらくセルジーニョ無しでは決勝進出はなかっただろう。決勝でもセルジーニョの活躍を期待したい。

一方の優磨は、シーズン序盤から前線の起点となって大奮闘。このところ点が取れなくなったものの、間違いなく相手守備陣が一番嫌がっている選手。キープ力だけでなくパスもグンとレベルアップした。今後もさらに飛躍するのは間違いない。


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水原三星戦マッチレビュー (鹿島アントラーズ公式サイト)

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