2006年11月11日(土) 15:00

J1リーグ第30節(カシマ、14,663人、雨)

鹿島アントラーズ 3-1 ガンバ大阪

G阪 2位 勝点59(18勝7敗5分)得失点差+31
鹿島 6位 勝点49(15勝11敗4分)得失点差±0

目標を天皇杯へシフトしたとはいえ、ホームで意地を見せたい鹿島アントラーズと、リーグ優勝争いに踏みとどまるためには負けられないガンバ大阪との一戦。

ここ6年のガンバはカシマスタジアムで未勝利だが、立ち上がりから攻勢をかけたのはガンバ。

前半6分、二川の短いスルーがゴール前に飛び込んだマグノアウベスに通ると、あっという間に先制点を奪われた。

先制されたものの、序盤だし勝負まだまだこれからと、こちらはまだ焦りはなかった。

この日、久々に本来の輝きを取り戻した本山。前半12分、左サイドをドリブルでタッチライン際まで深く切り込み、シジクレイをかわしてゴールへ迫りるが、最後は宮本が辛うじてタッチへ逃れ、鹿島がCKを得た。

そして前半13分、野沢がCKをニアに放り込むと、ガンバのボランチ橋本がバックヘッド気味にクリアを図るが、これが直接ゴールのサイドネットに突き刺さってオウンゴール。鹿島が幸運な形で同点とする。

その後も野沢のミドル、岩政のヘディングシュートなど、いくつか惜しいチャンスを作った。前半はボールを持っている選手以外の素早い動き出しが見られ、よくパスが回った。

鹿島の2点目はカウンターから。
前半32分、ガンバの加地が中へクロスを入れたが、そのクリアボールを中盤のアレックスが拾って左サイドの本山へ。本山はゴール前に走りこんできた田代にダイレクトでクロスを入れると、田代が右足ボレーでゴールに決めて勝ち越し。ダイレクトパスをつないだスピード感溢れる攻撃が功を奏した。

「前半を終えて浦和が1-0で横浜をリード」との情報は、ガンバベンチにも入っていたはず。ガンバは後半から播戸を下げ寺田を投入し4バックへ変更。サイドを生かそうとの考えからだろう。

一方の鹿島は、増田から中後に交代。
後半の鹿島は、しっかり守ってカウンターを狙う意識が強くなり、場合によっては2トップ以外の8人が引いて守る時もあった。

この日は守備での意思統一ができていて、ガンバが中央を強引にこじ開けようとしても、中をがっちり固める鹿島守備陣が待ち構えていた。鹿島はサイドからのクロスにもよく対応しており、ガンバは遠目からミドルを打つのが精一杯となった。

ガンバは単調な攻撃に終始。足元のパスばかり目立ち、まるで少し前の鹿島のよう。ガンバはシュート数で鹿島を上回ったが得点チャンスといえるのは、後半37分の寺田のゴール左にわずかに外れたシュートくらいだった。

後半40分、青木の足を蹴った橋本が2枚目のイエローで退場。その直後の後半41分、右サイドを駆け上がった田代から絶妙のクロスがニアの野沢へ通ると、野沢はダイレクトでゴール左隅に押し込み、鹿島が3-1とした。

この野沢のシュートに至る動きは、ゴール前に入るタイミングといい、高速のクロスへの素早い対応といい、彼の持つ高い技術が如何なく発揮されていた。

鹿島は3-1で勝利し、リーグ戦連敗をようやく止めた。この試合では、本山、野沢、田代、アレックスらが人数をかけた多彩な攻撃を展開。いわゆる「連動性」が随所に見られた。

ゲームのマネージメントも良く、こういうサッカーなら内容的に文句無し。天皇杯獲得へ向け、このままどんどん調子を上げていってもらいたい。

一方のガンバは、この敗戦で優勝争いから一歩後退。3位の川崎も東京に後半だけで3点差をひっくり返されて逆転負けを喫し、かなり厳しい状況に。4位の清水も引き分けて完全に優勝の可能性が絶たれた。この結果、浦和がリーグ初制覇に近づいたのは間違いないようだ。


最後に。
野沢は、この日発表された15日のサウジアラビア戦の代表に初招集された。鹿島の選手のいない代表に寂しさを感じていただけに本当に嬉しい一報だ。


先発メンバー

   ミネイロ  田代
本山           野沢
   青木    増田
ファビオ 大岩 岩政 新井場
       曽ヶ端

得点
前半06分 マグノアウベス (21)
前半13分 オウンゴール(橋本)
後半32分 田代 (本山) ④
後半41分 野沢 (田代) ⑤

シュート
鹿島アントラーズ…13本
ガンバ大阪…20本

ボール支配率
鹿島アントラーズ…49%
ガンバ大阪…51%

交代
後半00分 増田→中後 、後半39分 ミネイロ→興梠 、後半39分 本山→本田 

警告

主審 片山義継

アウトゥオリの試合後のコメント
単に勝ったのではなく、成すべくして勝ったと思う。努力を惜しまないこと、チームのために犠牲になること、献身的なプレーをすること。競争力を保つためにはしっかりと実行に移すことが大事。内容的には、他の試合よりミスも少なく、決定的なチャンスを決められたことは大きい。これが毎試合できれば一番ということを試合後の選手たちへ強調して伝えた。今日はチームとして1つになっているというのを実感した。