平野式複画派速記 試練か それとも祝福か 2025年10月12日
神の思いがあるとした前提での妄想のような思考。なぜ神は「事実上の日本初の符号式速記法」として、田鎖綱紀による方式を「幾何派方式、複画派」としたのか!? それは単なる試練だったのか、それとも祝福そのものであったのか。複画派体系としての平野式複画派速記を組み立ててきた中で思う。それは試練であり、祝福そのものでもあったと。
◆文章の出典:「日本経済新聞」(2025年10月12日付記事)より引用(非営利・速記学習目的であり、あくまでも著作権者を尊重した上での引用) 平野式複画派速記 2025年10月12日
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2025年10月12日の日本経済新聞より
今野真二
日本語日記
水兵リーベ僕の船
8月23日の「日経新聞」に「中国、レアアース生産管理強化」という見出しがあり、記事に「中国政府は22日、レアアース(希土類)生産の管理を強化する新規則を施行した」とありました。最近「レアアース」という語に接することが多くなってきているように感じます。
「レアアース(rare-earth)」は元素周期表のランタノイド(原子番号57〜71の15元素)に、スカンジウム(原子番号21)とイットリウム(原子番号39)とを加えた17元素の総称で、記事にあるように「希土類(元素)」と呼ばれることがあります。俵万智には「稀土類元素(レア・アース)とともに息して来し父はモジリアーニの女を愛す」という作品があり、この作品によって俵万智は希土類学会の名誉会員になっています。「稀」は禾偏(のぎへん)ですから〈稲がまばらなこと〉そこから〈まばら・まれ〉という意味をもち、「希」は〈まれ・少ない〉という意味と〈のぞむ・ねがう〉という意味とを持っています。明治12(1879)年に出版されている『必携熟字集』という、漢語辞書では、「稀有(キイウ)」を「マレニアル」、「希代(キタイ)」を「ヨニマレナリ」と説明しています。つまり、「稀」「希」いずれも〈まれ〉という意味をもっています。常用漢字表には「稀」が載せられていません。そのことが「稀土類」と書かなくなったことにかかわっている可能性はたかいでしょう。
高校で化学を習って以来、元素周期表をじっくりと見たことがないことに気づき、文部科学省の「一家に1枚」ポスターシリーズの周期表を購入しましたが、「水平リーベ」と周期表を覚えたことを思い出しました。このポスターとともに『元素楽章 擬人化でわかる元素の世界』も購入しました。元素を擬人化する、という発想はおもしろいですね。コミックを素材にした大学の授業で学生が採りあげた、宝石の体を持つ人型生命体たちを描いたSFファンタジー漫画『宝石の国』(市川春子)も、「擬人化」という枠組みに入りそうだなどと秋の夜長に、元素や周期表についてあれこれと想像したり考えたりするのは楽しいことですね。
(日本語学者)