綱紀がそれを開いて読んでいるうちに、この雑誌の中に奇怪な文字が数頁にわたってあるのを発見した。 | 個人用途の新速記法 EPSEMS(エプセムズ)

個人用途の新速記法 EPSEMS(エプセムズ)

 草書派理論(CURSIVE THEORY)に基づく
  日英両言語対応の手書き速記法

綱紀がウィルソンの私邸を訪れると、この老外人も、その夫人もことのほか歓び、1週間に1回は必ず訪問せよ、とまで言われた。綱紀は、その後もしばしば訪問を続けているうちに、ある日、夫人から英文雑誌の『ポピュラル・エデュケーター』を示された。綱紀がそれを開いて読んでいるうちに、この雑誌の中に奇怪な文字が数頁にわたってあるのを発見した。不審に思った彼は、夫人に質問したところ、それは英国人アイザック・ピットマンの発明した「フォノグラフィー」なるものだ、と説明した。いわゆる速記字だったが、このとき、夫人はまだフォノグラフィーに関する知識がなく、ただ、その名称のみを教えただけであった。

《 "日本速記事始(福岡隆 著)" より
   …2022年6月8日 田鎖式速記法 》