EPSEMS日本語速記 幾何派速記法と草書派速記法 の差異 2025年10月5日
「幾何派速記法同士の比較」による差異に対し、「幾何派速記法と草書派速記法(斜線派速記法・斜体派速記法)の比較」による差異はかなり大きいと言える。
逆方向同士となるストロークの往復運動を基本とする草書派速記法では、日本語を対象にそれが組まれた場合にあっても、音節単位ならぬ音素単位で音を捉え、音素単位で符号が書かれる。
◆速記符号化した文章の出典:「日本経済新聞」(2025年10月5日付記事)より引用(非営利・速記学習目的であり、あくまでも著作権者を尊重した上での引用) EPSEMS日本語速記 2025年10月5日
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2025年10月5日の日本経済新聞より
日本語 日記
伯母様と桶狭間
今野真二
7月30日に船橋東高校(千葉県船橋市)で行われた、「第五地区図書委員並びに学校図書館関係職員研修会」に参加してきました。「ことばは世界をのぞく窓」というタイトルで1時間半の講演をし、昼食後に、辞書をテーマにしたグループワークを行いました。
まずは、「肩ならし」として、『岩波国語辞典』や『三省堂国語辞典』『新明解国語辞典』など、小型の国語辞書の語釈の共通点、相違点をグループ内で確認してもらいました。調べたのは、「ミギ(右)」「エダマメ(枝豆)」「ズバズバ」の3語です。次に、「「辞書の編集者になって、語釈を考えてみよう」ということで、「マンガ」「クルシイ」「バナナ」という3語の語釈を各グループで考え、それを発表してもらって、意見交換をしました。普段、辞書でことばを調べることはあっても、語釈を調べたり、自分で考えたりする経験はあまりないと思いますが、高校生は楽しそうに議論をしていました。
さて、船橋東高校へは東葉高速鉄道の飯山満(はざま)駅から歩きました。〈山と山の間の狭くて低いところ〉を「ハサマ・ハザマ」と呼ぶので、そういう意味の地名と思われますが、初めて見た時はすぐに発音がわかりませんでした。
「ハザマ」といえば、永禄3(1560)年5月19日に尾張国桶狭間で織田信長と今川義元の間で起きた「桶狭間の合戦」がよく知られていますね。
高知県香美市土佐山田町には「間」一字の「ハザマ」、宮城県登米市豊里町には「迫」一字の、長野県中野市大字豊津には「硲」一字の「ハサマ」があります。また、長崎県五島市三井楽町には「波砂間」と書く、兵庫県川辺郡猪名川町上阿古谷には「波座麻」 と書く「ハサマ・ハザマ」があります。日本中に「ハサマ・ハザマ」がありそうです。
神奈川県伊勢原市三ノ宮に「伯母様(おばさま)」という地名があります。小田原北条氏の家臣、布施弾正左衛門の伯母の所領地だったことに由来するとも言われているようですが、大分県由布市庄内町に「小挟間(おばさま)」があることからすれば、「伯母様お」ももとは「オハザマ」であったかもしれませんね。 (日本語学者)