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個人用途の新速記法 EPSEMS(エプセムズ)

 草書派理論(CURSIVE THEORY)に基づく
  日英両言語対応の手書き速記法

◆第一回講習会終了時には、いまだ略字らしいものがなかった。田鎖は、グラハム式の [it] を「夫」、[knowledge] を「知識」と読むような直訳的略字を考えたが、あまり実用価値がなかった。これに対し、「牡丹灯籠」表紙裏の速字文は「すこぶる」が [有尾小円] に [ス] と [ル] を続けた形で書かれている。若林を中心とする筆記法研究会は、まずこういう略字の研究から出発したようである。 【武部良明 著 国語速記史大要(上) P40より】


◆大正元年、荒浪市平はその子清彦と共著になる「速記独修日本写言術」を出版した。 『義塾が多年教授の実験に基づき編纂せる最堅実なる方式と信ずるもの、此著に依りて其一斑を知らるべし。』 当時東京における主な速記教育機関としては、引続き荒浪市平の速記義塾及び佃與次郎の佃速記塾であり、それぞれ田鎖式を実用方面から修正増補したものを教えていたが、佃式は遂にまとまった印刷物となるに至らなかった。田鎖綱紀自身も前著「新式速記術」を修正増補し、大正二年「大日本早書学邦語速記術」なる書を出したが、この方は理論的にのみ大成され、実務者からはあまりよく言われなかった。従って前記荒浪の書は、当時の実用方式たる荒浪式を取扱ったという意味において、高く評価されるものである。 【武部良明 著 国語速記史大要(下) P1より】

 

 

 

 

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