Facebookより

 

印鑰 智哉

もどかしいほどの情報の壁がある。なぜ日本だけこの30年間、世界の動きから取り残されてきてしまったのか、どこが違うのか。日本の常識が世界の非常識になっているケースが多々あるのだけど、マスコミは報じず、日本の市民社会は関心もなかなか寄せない。だから世界とのギャップはますます開く。その典型的なケースがタネに関する政府の政策。日本を現在支配しているのはUPOV真理教と言ってもいいかもしれない。

 

 UPOVは世界のスタンダードとは言えず、遺伝子組み換え企業などがロビー活動で作った勝手なルール。確かにUPOVは先進国の多くに採用された。でもよく見ると、各国ともUPOVの言う通りにはしていない。UPOVの考え方ではタネは新品種を作った企業のもの。でも歴史的に見るならば何千年もかけて農家が育ててきたタネを少し変えただけに過ぎない。だから企業も農家に多くを依っている。だから世界の政策はこの2つをバランスするように工夫している。でもUPOVはその立場を取らない。そのUPOVの考えを全面的に採用してしまったのが日本の種苗法改正だった。例外を一切認めない世界で一番農民の権利を拒否した法律となってしまった。

 

 日本政府はアジア各国も巻き込もうとしている。来年度の予算案ではアジア地域でUPOVに準じたオンライン登録システムの導入支援のための概算要求もしており、アジアレベルで種苗法改正を加速化させ、違反を取り締まるネットワークを作ろうとしている。アジアからはそうした日本のやり方に抗議の声が届いている。

 

 種苗に育成者権に加えて特許権までかけられようとしている。2025年以降、日本のお米の1割近くが特許米になろうとしている。その一方で、貴重で多様な在来種の種苗は消えつつある。同じ遺伝子ばかりの多様性を失った種苗しかなくなった時、気候変動や環境の変化に耐えられず、タネが作れなくなる危険すら出てきてしまう。

 

 一方で、世界の中には在来種の活用を進める地方自治体もあらわれている。地域に合った在来種の種苗は少ない化学肥料でも育っていく、有機農業にも適している。そうした種苗を支援する自治体の農業は伸びており、若い農家の参入も増えている。

 

 やはり農業はタネから始まる。そこで決定的なボタンの掛け違いをしたまま、突っ走る政府といっしょに進めばこの先はかなり危うい。どうこの根本的なズレを克服できるか、地域の条例を作って、地域の種苗を拡げていくことも有効な戦略だろう。世界とどれだけ今の日本がずれているのか、どう本来あるべき方向に戻していくことができるか、これは社会の根幹に関わる話。ちょっとややこしいかもしれないけど、ぜひご参加いただきたい(詳しくは以下の投稿をご参照ください)。

 

 

OKシードプロジェクト

【オンライン学習会:日本のタネの未来を考える〜種苗法改正の背後にあるUPOV(ユポフ)の実態〜】

植物の新品種の権利を制限する「UPOV(ユポフ)条約」があります。

この条約は育成者の権利を保護する一方、国連の決議や条約との整合性がとれておらず、農民の権利を強く制限しています。

2023年10月にマレーシアで開催されたUPOV問題に関する国際会議「植物品種の保護、農民の権利、種子部門の発展に関する東南アジア地域ワークショップ」に日本から参加したメンバーから、この会議の報告とともに、そこから見えてきた日本の種苗法の問題点などをわかりやすく解説します。

ぜひご参加ください!

<概要>

日時:2024年2月13日(火)18:30-20:30(開場18:20)

形式:オンライン(Zoom)※要事前申し込み

参加費:無料(カンパ大歓迎)

お申し込み https://forms.gle/yixsHU37MD5NejxY6

<プログラム>

・「マレーシアワークショップ概要報告」廣内かおり(日本消費者連盟)

・「農民の種子の権利が世界の流れ UPOVと矛盾」岡崎衆史(農民運動全国連合会)

・「UPOVと種子法廃止・種苗法改正、日本とアジアの食料危機」印鑰智哉(OKシードプロジェクト)

・質疑応答、意見交換

・まとめと今後に向けて

※プログラムは変更されることがあります。

<共催>

OKシードプロジェクト/家族農林漁業プラットフォーム・ジャパン(FFPJ)/日本消費者連盟/農民運動全国連合会(50音順)

<このイベントに対する問い合わせ先>

日本消費者連盟

電話:03-5155-4765(月・水・金のみ)

Email:koketsu★nishoren.org(纐纈)※★を@に変えてください。

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■UPOV(植物新品種保護国際同盟)とは?

植物の新品種の保護に関する国際条約に基づく国際同盟。この同盟の条約は1978年版と1991年版があるが、現在加盟できるのは1991年版のみ。品種改良した品種の無許諾利用を禁止し、国を超えて育成者権を強化することを目的としている。食料の権利を確保するためには、各国の食料、農業の事情に合わせた柔軟な対応が必要だが、UPOVへの加盟によって厳格な育成者権の保護が課されるなどの問題が指摘されている。2023年4月時点での加盟国・地域数は合計78。

参照:8月に開催した学習会の動画

https://www.youtube.com/watch?v=RTAvcQl59yA&t=4s

 

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えええええ

 

 

 

 

 

 

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