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■未成年の「2世」---偽募金 歩き続けた

 

 

 

 統一協会(世界平和統一家庭連合)は子どもたちに国内外で “ニセ募金” 活動をさせ資金を集めていました。その実態とは…。(#統一協会取材班)

 2000年代のある冬。統一協会の信者で集団結婚した親を持つ「祝福2世」の女性のAさん(30代)は、高校生のとき留学先の韓国で正体を偽りニセの募金活動をさせられました。

 

 「国際奉仕団です。東南アジアの支援のためにご協力をお願いします」。運行中のバス内でAさんは仲間と段ボールで作った募金箱を持ち、席を回りました。一周したら、次のバスへ。約2週間、朝から晩まで続けます。

 

●目標1日2万円

 「募金はアメリカにある統一協会の “聖地巡礼” に使われました。いい事をしていると信じていました。私たちが統一協会の歴史を学ぶことで、天国をつくるのが早まると洗脳されていたからです」と明かします。

 当時、韓国ではボランティアで募金活動をする際は無料でバスに乗せてもらえたといいます。

 「洗脳されていたとはいえ、善意で募金してくれた人に申し訳なく思います」とAさんは悔やみます。

 

 募金の目標額は1日1人2万円ほど。達成できたら、ホワイトボードに書かれた名前の横に赤ペンで「勝」と書かれ、できないと叱責されます。

 募金に行く前や帰ってからは対話練習。1人ずつ前に出てどのように募金を呼び掛けるかを発表します。うまくできないと「気持ちが入っていない」と注意されました。ニセの募金活動は日本でも統一協会の重要な教義の一つに「万物復帰」があります。霊感商法を合理化させるもので、人も財もすべて神のものであり、財産をサタンの元から本来の所有者である神=文鮮明に「復帰」させるという教えです。

 

 Aさんは大学に進むと、統一協会の学生団体であるCARP(原理研究会)に入りました。すべての長期休みを万物復帰に費やしました。

 朝7時半に出発式をし、毎日違う場所へ向かいます。「老人ホームへの寄付になる」とうそを言い3枚入りの布巾を2千円で売りました。1人で一軒ずつ訪ね、配られた地図蛍光ペンで塗りつぶしていきます。

 

 2時間ごとに責任者に集めた金額と目標を報告。訪ねた家が少ないと怒られるため、暑い日も寒い日もほとんど休憩せず午後6時まで歩き続けます。

 「お昼代は450円。ファミレスなどに入ることは禁じられ駅や公園のベンチで食べました。トイレを探す余裕すらなく、ぼうこう炎になったこともありました」

 しかし心配されるどころかたくさん売ることが「善」とされていたため、Aさんはすぐに万物復帰に戻りました。

 

●「あなたが悪い」

 18歳の時には訪問先で性暴力に遭いました。初老の男性に、胸を触られ顔をなめられたのです。

 「男性にそうさせたあなたが悪い」…。CARPの責任者はそう言い放ちました。Aさんは訴えます。「被害届を出しましたが、統一協会だということがバレるといけないので取り下げるよう勧められました。被害のことは忘れたくても忘れられません。私のように被害に遭う人が二度と出ないようにしてほしい」

 

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ムキーッ

 

 

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