〈持統化給付金事業〉電通本体に104億円…経産省も「予算ではそうなっている」が、実際の業務は不明

 

 

 

 

 

国の持続化給付金事業を769億円で受注した一般社団法人サービスデザイン推進協議会から事業の大部分を再委託された広告大手の電通が約104億円を得ることが5日、分かりました。同日、国会内で開かれた野党合同ヒアリングで明らかになったもの。

 

●野党ヒアリング

 

この事業では、749億円で再委託を受けた電通が自身の子会社5社に外注していました。内訳は経産省の担当者によると、 ▷電通ライブ595・7億円 ▷電通テック7・8億円 ▷電通国際情報サービス9・8億円 ▷電通デジタル6・3億円 ▷電通東日本5・5億円です。この結果、電通には約104億円が残ることになります。

 

電通は、この事業で申請受け付けから審査までの統合的な管理・運営、サポート業務の管理、広報などをすることになっています。これらの業務は子会社にも外注しており、電通本体で実際にどんな業務をしているかは不明です。ヒアリングでは野党議員が、「委託費769億円のうち、電通に104億円の金が入るという理解でいいのか」と質問。経産省の担当者は「現行の予算ではそうなっている。まだ確定ではない」な」どと述べました。

 

この事業では給付金の受け付けやコールセンター業務の外注を受けた電通ライブ社が、さらに派遣大手のパソナ、IT業のトランスコスモスに外注していました。

 

電通、パソナ、トランスコスモスはいずれも、サービスデザイン推進協議会を設立した社員です。ヒアリングでは法務省の担当者が、一般社団法人の議決権は社員にあると説明。野党議員からは「電通、パソナ、トランスコスモスに議決権があることになる。議決権がある人物たちが、一般社団法人を通して受けた業務を、自らの企業に再委託、外注した」との指摘がありました。

 

またヒアリングでは、受け付け開始初日の5月1日に申請したのにいまだに給付されていない企業・個人が約9千件あることが問題になりました。野党議員は「経産省や中小企業庁は、個別の情報を把握しているのか」とただしました。経産省は「全てを把握できていない」などと答えるのみでした。日本共産党の高橋千鶴子、笠井亮の両衆院議員が参加しました。

 

 

 

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『持続化給付金 「消えた年金に似てきたね」』

https://tanakaryusaku.jp/2020/06/00023065

 

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官房機密費78億円の闇…安倍政権7年 返納たった37万円

 

 

 

 

 

第2次安倍内閣が発足してからの7年間で使った「内閣官房機密費(報償費)」86億円余のうち領収書不要のつかみ金である「政策推進費」に78億円も使われたことが5日、本紙が情報公開で入手した資料で判明しました。

 

新型コロナウイルス対策として、260億円をかけるアベノマスクや「桜を見る会」など、税金の不可解な使い方が次々と明らかになる安倍内閣。使い道を明かす必要すらない官房機密費ではどうなっているのか…。(矢野昌弘)

 2012年12月に発足した第2次安倍内閣が昨年12月末までに支出した官房機密費は計86億3100万円余となっています。

 

官房機密費は、会計検査院に対しても領収書や支払先を明らかにする必要がありません。中でも「政策推進費」と呼ばれるお金は、菅義偉官房長官自身が管理し、菅氏に渡った時点で支出が ″完了″ したものと扱われます。

 

そのため、「政策推進費」の使い道は菅氏や安倍首相官邸の裁量で決まり、領収書も不要。官房機密費の中で最も ″ヤミ金″の性格が強いお金です。

 安倍内閣が19年に使った「政策推進費」は11億650万円。7年間で計78億6730万円を使っていました。官房機密費全体の91%が「政策推進費」だったことになります。

 

また、10年3月の年度末までに使い切れず国庫に返納した機密費は4万3268円でした。ほとんどを使い切っていました。国庫に返納した機密費は7年度分をすべてあわせても37万円余でしかありません。

 

税金の使い方がますます乱脈を極める安倍政権のさらなる監視が求められます。

 

■公金私物化、政権の体質…神戸学院大学教授上脇博之んに聞く

 

内閣官房機密費の情報公開請求訴訟に10年以上、取り組み、2018年に最高裁で一部開示の勝利判決を勝ち取った上脇博之神戸学院大学教授に聞きました。

 

官房機密費には、常に悪いうわさがつきまといます。例えば野中広務・元官房長官(故人)は、過去に「総理の部屋に月1000万円」を持って行ったなどと証言しています。今でも続いているのではないでしょうか。

 

安倍首相の後援会が主催し首相も参加した「桜を見る会前夜祭」では、後援会は参加者の会食費の半分ほどを負担し、毎年何百万円もの赤字を出したとの疑いが生じます。その赤字補填に官房機密費が使われたのではないかといった疑念もわきます。こうした疑惑を常に呼ぶのは、官房機密費の使い方に歯止めがなく使途が将来も公表されないからです。

 

2018年に最高裁が官房機密費の使途文書の一部開示を命じました。直後、私たち原告・弁護団は菅官房長官に抜本的な見直しを要求しました。

①政治家・公務員・マスコミ・評論家に支出しないこと ②「秘匿性の程度」に応じて使途を非公開にする期間を決め、その期間が経過すれば公開することなどを要求したのです。法律改正の必要はなく官房長官の判断で実現可能な最低限のルールでしたが、安倍首相も菅官房長官も無視したままです。

 

普通は、最高裁で敗訴して原告らが要求すれば、国は使途や公開の在り方について一定の見直しを行うものですが、完全無視です。「桜を見る会」でも公金を私物化してきました。使途の公表されない官房機密費であればもっと私物化していることでしょう。原告らの見直し要求を無視するのは、公金の私物化が安倍政権の体質になっているからだと思えてなりません。

 

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