いつも鋭い斉藤さん

本音のコラム「サンゴの処遇」斉藤美奈子 東京新聞11月19日



16日の沖縄県知事選で、普天間飛行場の
名護市辺野古への移設に反対する翁長雄志氏が大勝した。
しかし菅官房長官は「選挙結果にかかわらず、計画を粛々と進める」と語った。

毎度のことだ為政者に都合のいい結果が出れば「民意が示された」といい
不都合なら「選挙結果にかかわらず」という。


小笠原沖その他での中国船のサンゴ密猟は由々しき問題だけれども、
辺野古の海の埋め立てはその上を行く暴挙。


11日には19の自然学術団体が連盟で、移設計画の見直しと
環境アセスメントの再実施を求める異例の要望書を国や県に提出した
(と琉球新聞や沖縄タイムスは伝える。全国紙はなぜ伝えない?

200種以上の絶滅危惧種を含む5千種超の生物が生息する
大浦湾一帯は、世界に誇る珊瑚礁。
その保全は生物多様性条約の締約国たる日本の責務だと要望書は訴える。

この件の半分は基地問題だが、半分は環境問題なのだ。
沖縄の造礁サンゴと宝石サンゴはちがった種類で同列には語れぬものの、
サンゴの密猟が×でサンゴ礁の破壊が○なんてありえない。

現政権が自然環境に無関心なのは原子力政策にも表れている。
原発事故という究極の環境汚染を無視して、さらなる再稼働を目指す。
彼らを支持するのは地球の破壊に手を貸すこと。

沖縄の選択は、であればこそ重いのだ。

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