経済学者 宇沢弘文氏が亡くなった...


「経済学の原点は人間。
 人間のなかでいちばん大事なのは、実は心なんだね。
 人間の心を無視して経済的に豊かになればいいと追求しすぎた。
 本来の意味での 心の豊かな社会にするための
 条件と手段を考えていかなければならない。」


~「日本最大の経済学者が蛇蝎のように嫌った竹中平蔵」日刊ゲンダイ

今年の18日に亡くなった宇沢文弘氏
大新聞は宇沢氏の訃報と業績を報じたが
氏が「新自由主義」に真っ向から反対していたことはすっぽり抜けてる



40年前ベトナム戦争を批判された米国防長官が
経済効果性を理由に胸を張ったことに愕然とし
「言葉に言い尽くせない衝撃を受けた」と語っている


以後 平等・公正・正義ではなく
「稼ぐ」ことだけを目的とした経済学に疑問を投げかけてきた

竹中平蔵元金融大臣など蛇蝎のごとく嫌う存在であり
TPPもアベノミクスも全否定していた

「竹中のようなエセ学者が跋扈しないように
 メディアは宇沢氏の功績と懸念をもっと伝えねばならないが
 大マスコミ自体が新自由主義に毒されているのだから
 どうにもならない」


東京新聞27日 「筆洗」 全文転載・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

国が子どもたちへの金融教育に力を入れ始めたころ、
時の日銀総裁が講演で、こんなことを話した。
「自分の持っている大切なものを手放してお金に換えても、
 そのお金は価値をきちんと保全し、
 次に必要なものを手に入れる時に役立ってくれる」

▼先日、八十六歳で逝去した経済学者・宇沢弘文さんは
 その言葉に怒りを感じたそうだ。
「大切なものは決してお金に換えてはいけない。
 人生で一番大きな悲劇は、大切なものを国家権力に奪い取られたり、
 あるいは追い詰められてお金に換えなければならなくなった時です」


▼宇沢さんは十七歳で終戦を迎えた。
 貧困と失業、経済混乱に苦しむ人々の姿を見て経済学の道を歩み始めた。
 もともとは医師志望。
「経済学は社会を癒やす学問」と考えてのことだ

▼数理経済学でノーベル経済学賞候補に挙げられるほどの成果を挙げた頭脳は、
 社会・経済の病理に苦しむ人に向けられた。
 その深い洞察力が認められ、ローマ法王の助言役を務めたこともある

生活の糧の海を大企業の利益のため汚され、
 健康と命を「換金」させられた水俣の人々や、
 国策による開発で先祖伝来の地を「換金」させられた人々…。

 そういう人たちの心が救われるまで
 「日本経済の貧困は解決できない」
と言っていたそうだ

▼経済とは、経世済民。世をおさめ、民をすくう。
 言葉の本来の意味の経済学者だった。
_________________________________転載終わり

こうしてみると...
まともな報道をするのは 東京新聞・ゲンダイ・赤旗ぐらいだと
しみじみ感じる今日この頃...



宇沢氏の過去記事:

日本は米国に搾取されている植民地である~「始まっている未来」宇沢弘文・内橋克人 

「経済学は人びとを幸福にできるか」