独りファシズムさんがこちらで参考文献として挙げていたので
       サゲサゲ↓
SLAUGHTERHOUSE <グローバル資本は国家と人間を解体する>
図書館で借りてきた 激おすすめ

「ならず者の経済学 世界を大恐慌にひきずり込んだのは誰か」

著:ロレッタ・ナポレオーニ  イタリア人経済学者

「グローバル化によって解き放たれた邪悪な経済勢力が、いま世界を席巻している。
 金融の大混乱、偽造の氾濫、広がる貧富の格差...
 こんな世界のどこかで誰かが大儲けしているのだ。
 一体それは誰で、彼らはいかにして暴利をむさぼっているのか




・・・・・本文より

「ショッキングにも現代という時代に、民主主義と奴隷制が、
 強力な”正の相関”と経済学者たちが呼ぶかたちで共存しているのだ。
 つまりこれらふたつは、互いに支え合って
 盛衰をともにする関係にあるということである。」

「民主主義と奴隷制は私たちの頭のなかではなかなか結びつかない。
 それは、私たちがいまだに、民主主義を実現すれば
 奴隷制の再発を防ぐことができるという間違った印象を抱き続けているからだ。」

「奴隷制はふつう、強国による貧国の搾取の結果と考えられているが、
 実はそうではないことが明らかになっている。
 現代の奴隷のほとんどは、同国人によって売られているのだ。」


「現代の奴隷制は わたしたちの冷蔵庫のなかにある。
 果物からビールまで、砂糖からコーヒーまで、
 奴隷労働によって食卓にとどく食品はたくさんある。」

「メディアは幻想をつくりあげて、そこへ人々を沈み込ませる手伝いをする。
 そうやって希望を与え、荒廃した世界に生きることを我慢させるのだ。」

....................................


この本では 売春・奴隷・海賊・偽造などさまざまな
世界のあちこちに存在するダークな部分について具体的に解説されてる

私ら日本人が信じている世界と 現実の世界はずいぶん違うんだな...
と考えさせられる本であり

「テロ対策の強化って もしかしたらテロの目的だったのでは

なんてことも疑いながら読んでしまう本


民主主義国家の政治は「格差の解消・軽減」が重要であるはずが
グローバル経済の広がりにより 政治が機能しなくなっている
グローバリズムの下「貧困」とは新しい奴隷制だ
民主主義のもとでこの奴隷制が かつてないほどの繁栄をしている


こうした「ならず者経済」が勢いづく一方で
政治やメディアは夢のような生活やハッピーを演出するわけだ
TVがその役割を担っている

これだけ企業環境が厳しくなっている状況で
つまり「奴隷制と搾取で作られた富」と勝負しているこの世界で勝とうと思ったら 
ならず者になるしかないのだろうか

株が上がることとか
儲けることばかり考えているのはすでにならず者かも...


最後は「『ならず者経済』に対抗するイスラム金融」という章で
著者は「欧米が主導しそして破綻した資本主義」が学ぶべき点を指摘している

イスラム金融はイスラム教の教義に基づき
利息を取ることを禁じているし 投機を非難してきた
つまりマネーを商品にしてマネーを増やそうとしてはならぬということ
ヘッジファンドや投資ファンド避け運営されるので
市場経済に振り回される事がない


このイスラム金融はイスラム人口10億人の中で近年急速に発展している

このイスラム金融の「マネー」のあり方
ミヒャエル・エンデを思い出しますねぇ...


例としてあげられているのがマレーシア
マハティール首相(当時)
はIMFや世界銀行の介入を突っぱね
他国のムスリムたちに協力を求めた
ムスリム投資家たちとイスラム開発銀行が救済プランを提供
ムスリムが連帯して欧米の従来の救済策に対抗した

・・・・現在はこの大転換の闘いの真っ最中なのだと著者

「ならず者経済の混乱の後 欧米は脱落し
 アフリカと中東が世界経済のリーダーシップを取る国に資源を提供するはずだ」と

この本は2008年のもの...
「ならず者経済」という解説は激しく同意するものでした
言っていることはチョムスキーと同じだし

その後の世界を見渡すと...
アフリカと中東の混乱の原因を疑ってしまうのは私だけではないだろう

マレーシア機が行方不明や撃墜されたのは偶然だろうか...とかね

IWJに イスラム研究家 板垣雄三氏のインタビューがあり
この本と大変通じる内容だったのだ

「現代は欧米中心主義の断末魔であり
 パラダイムチェンジが必要だ」と

ものすご~くおすすめなんだけど...
8時間と長~いインタビューで
会員じゃないとさわりの部分しか読めないのですが...

世界の「いま」は欧米中心主義の断末魔/繋がりあう尖閣・マレーシア・ガザ・ウクライナ ~岩上安身による東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー


インタビューの方はともかく
この本はイタリアでベストセラーになったそうで
さもありなん おすすめ