文化放送「吉田照美 飛べ!サル!」5月29日4時40分ぐらいから


~「福島第一原発の今
  地下水を海に放出する地下バイパス井戸の1つから
  放出基準値を超えるトリチウムを検出」について


アーサー・ビナードさんのコメント


「汚染水対策」というが 全く「対策」ができていない
事故から3年以上経って 何も終わってなくて継続中で
出口さえ見えていないのが現実

何も収束もしていないし

「アンダーコントロール」という言葉が権力者の口から出ていたが
事故をごまかすマスコミ対策と政府の広報のための言葉


3年以上経っても 溶け落ちた核燃料がどこにあるかわからない
凄まじい量のこの世で一番恐ろしい物質の塊がどこにあるかわからない


メディアは「汚染される前の地下水をバイパスで放出する」と言うが
流す汚染水の基準はメルトダウンさせた側が決めた基準で
しかも勝手に「バイパス」という名前を付けた「対策」で
それでやってみたら トリチウムが基準越えになった
これを「対策」と言うこと自体が日本語の破綻

原子炉建屋に流れ込む地下水の量は
彼らの言っている数字が正しいとして400トン

順調に井戸の汲み上げがうまく行ったとしても
バイパスに通せる量は数10トンからマックスで100トン
25%がマックス それを対策と言うんですよ


バイパスってよく心臓の手術などで使うもの
麻酔して動脈を止めたりして緊急にやってバイパスが成り立つもの
ズルズル何年もやって何がバイパス迂回路にもなっていない


海に流すことができる地下水に含まれても良いトリチウムの基準値は
1ℓあたり1000ベクレルって科学的根拠は何なのか


100ミリシーベルトは人体に影響は出るか出ないかと言う議論と似ている
だって国によて違うし ヨーロッパは低いし
アメリカ・カナダは高めに設定をしているが 今の科学ではわからない

トリチウムは自然界にもあるものだが
これを増やして生き物にどういう影響が出るか誰も把握できていないし
できている奴がいたら黙って隠してるだろう


1ついえることは自然界に影響を及ぼさないものはないということ
トリチウムを垂れ流して影響がないというのは非科学的


トリチウムのトリは3重水素 
普通の水素より中性子が増えている水素で
人工的に核分裂させて作る 
水素と同じものだが重さが違う

3重水素は水にとけ込む 自然界にある水素も3重水素も同じ
セシウムやストロンチウムとは違って
このトリチウムの特徴は取り除くことができないこと

現実的に対策としてやることは不可能 それは東電も認めている

トリチウムは水そのものだから取り出せない
汚染水から取り除くことはできない


トリチウムは自然界にも1ℓあたり1~3ベクレル含まれている
60年代に核実験をさんざんやった
その時は100ベクレルのトリチウムが入っていた

カナダの基準値は1ℓあたり7000ベクレルだが
それは基準値で 実際にはカナダの地元の測定では20ベクレルも含まれていない

今のデータで安全とは言えない
一番の安全は増やさないこと垂れ流さないようにするしかない


小出さんの話によるとトリチウムが人体に入ると99%吸収されてしまう
そのうち2%はDNAに取り込まれてしまう

食べたり飲んだり吸い込んだりしてトリチウムは吸収される
僕らの体の70%は水でできている

原爆というのは原子核を分裂させてとんでもないエネルギーと放射線が出る
水爆はプルトニウムの核分裂を引き金として使って核融合の反応を起こす
核融合で凄まじいエネルギーが放出されて
例えば1954年の第5福竜丸が死の灰を浴びせられたブラボーという
わけのわからない名前をつけられた水爆は広島型原爆の1000倍


そんな水爆を使うとトリチウムを大量に生み出す
実際にビキニ環礁を破壊させたが
広島原爆の1000倍の爆発力の飛び道具をどこで使うの


そのトリチウムをたくさん生み出す核融合のことを
「未来のエネルギーだ」と「今度は核融合だ」と言うおたんこなすがいるが
これが何を意味するかと言うと想像を絶する量のトリチウムをバラまくということ
それが水爆の実態


9月で任期が切れる5人の原子力規制委員のうち
島崎さんと大島さんを再任せずやめさせるという

原子力規制委員会は独立性の高いものとして作られた
ふれこみはそうだったが
自民党が与党になってから「原子力規制委員会は厳しすぎる」と
中でも島崎さんは地震の専門家で厳格に審査していた
もちろんあくまでも他の人と比較対照でだが


後任の候補は田中知さん 
東大教授で電力会社から報酬を受け取ったり もんじゅを推進してきた人だから
田中さんは適役・はまり役だと思う

原子力規制委員会は 原発の再稼働を既成事実として扱うための委員会
つまり「原子力既成事実委員会」だから田中さんはピッタリだ

そもそも再稼働のためのパフォーマンスのための委員会なのだから


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田中知教授は 日本原子力産業協会の役員を
2011年から2012年まで務めていた

つまり
「直近の3年間に”原子力事業者及びその団体の役員、従業員等であった者”は
 原子力委員会の委員長及び委員には就任できない」とする規定に抵触してるのだ

まさに「原子力既成事実委員会」にぴったしですこと