「世界の資源を奪い合っている経済優先社会に
 自分たちがどれほど搾取されているかを知り
 ひとりでも多くの人間が
 そういう社会を容認しない意識を高めて欲しい。」著者

「エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ」 ジョン・パーキンス
2007年出版




この本マジ面白かった おすすめ

文章がうまいので まるで小説みたいで
事実に即したフィクションかしらんと思うほど

少しは盛っているかもしれないけど

それでも近代史と見比べると事実だと感じる


エコノミック・ヒットマンが語るアメリカ帝国の秘史  ―経済刺客、暗殺者、グローバルな腐敗の真相 より 以下転載・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

グローバリゼーションの原動力となってきた、企業利益中心(コーポレートクラシー)の合衆国の世界支配戦略を、経済面で推進する勢力の深部で働いてきたと称する人物が、いかにこのシステムが第三世界の貧国を欺いて、巨万の富をまきあげてきたかを内部告発。かつて英仏がしたような直接の軍事占領や植民地支配を伴わない、アメリカ帝国の搾取構造が、ある意味、非常にわかりやすく説明されています。

パーキンスは、10年にわたって国際経済コンサルタント企業で働き、主任エコノミストをつとめましたが、じつはその間に「エコノミック・ヒットマン」という影の仕事に従事していたと主張しています。

エコノミック・ヒットマンは資源のある第三世界の国の指導者に近づいて、世界銀行の融資を受ければ飛躍的な経済成長が可能になるともちかけ、巨額の借入をさせます。でも実際の受益者は巨大なインフラ構築を請け負う、べクテルやハリバートンのような米国の巨大企業と、現地のエリート階級のみであり、庶民には国家が背負った巨大な負債のみが残ります。この借金はとうてい返済できないので、世銀の指導により社会福祉や民生支出が大幅に切り詰められ、天然資源が略奪されます。

パーキンスは、自分の役割は、エコノミストという肩書きの裏で第三世界の指導者を抱きこんで、自国民をないがしろにして、米国の政府と企業にとってのみ好ましい政策をとるように誘惑することだったと告白しています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・転載終わり

ジョン・パーキンス氏のやっていた仕事は(1970~80年)
石油をはじめ豊富な資源を持つ途上国の指導者に対して
世界銀行の融資を受けて国家を近代化すれば
飛躍的な経済成長を達成できるという
まことしやかな嘘のデーターをでっち上げ示し

その国に巨額の債務を負わせるというやり方

しかし融資された金は結局
巨大なインフラ建設を受注するベクテルやハリバートンなどの米企業と
現地の利権を握っているほんの一部の富裕なエリート層の懐へと流れるだけで
開発の名の下に立ち退きを強いられる住民や
環境破壊を生みだし さらに国民を苦しめることになる


債務国の政府は負債の罠に絡めとられて

天然資源や国連の議決権を奪われたり
米軍基地の設置を強いられたりすることになる...


もっと恐ろしいことは
エコノミック・ヒットマンが途上国の指導者の取りこみに失敗すると
さらに本当のヒットマンである「ジャッカル」の出番 つまり暗殺

それも失敗すれば軍隊が出動するのだと パーキンスは言う


インドネシア・サウジアラビア・パナマ・エクアドル・イラクなどの
例をあげて実体験を語る彼の告白は
説得力にあふれているというか 怖い


米が転覆させた外国政権 本書に出てくるのは...


イラン:モザデク
グアテマラ:ヤコボ・アルベンス
チリ:アジェンデ
エクアドル:ロルドス
パナマ:トリホス
イラク:フセイン
までですがその後 みなさんご存知の通り
リビア:カダフィ
今途中? シリア:アサド? 
その次は イラン:ロハウニ? 北朝鮮:キムジョンナム???


古いものは機密文書が解除されておりますので
CIAが関与したことが明らかになっております....ぞっ


・・・・・彼はコーポレートクラシーについてこう書いている・・・・・・・・
  
企業や銀行や政府(これらの集合体を「コーポレートクラシー」と呼ぶ)は
経済的・政治的な力を利用して
教育や産業界やメディアがこの誤った認識と
必然的結果の両方を支持するよう努める。

その結果として、現代人の文化は際限なくどん欲に燃料を消費する
巨大機械と化したかのごとき状態にまで陥ってしまい
行き着く先はといえば、目につくものはすべて消費して
最後には自分自身を呑みこむしかなくなってしまうだろう。


コーポレートクラシーは陰謀ではないが
そのメンバーたちは共通の価値観と目標を持っている。
コーポレートクラシーのもっとも重要な機能のひとつは
現状のシステムを永続させ、つねに拡大し強化することである。


「成功者」の暮らしや、豪華なマンションやヨットや自家用ジェット機といった
彼らを飾る品々は「消費、消費、消費」と
私たちを駆りたてるためのモデルとして示されている。

物を買うのは私たち市民の義務であり
地球の自然を略奪することは経済にとって良いことであり
自分たちの利益になるのだと、なにかにつけて私たちは思いこまされている。


・・・・・・・・・・そして冒頭の言葉になるわけです

「世界の資源を奪い合っている経済優先社会に
 自分たちがどれほど搾取されているかを知り
 ひとりでも多くの人間がそういう社会を容認しない意識を高めて欲しい。」
 
「コーポレートクラシーとは私達自身であり
 私達がこの仕組みを成立させている。」

「ごく一部が豊かさを享受する一方で
 大半の人々は貧困や汚染や暴力に圧倒されている世界で
 自分がどんな役割を果たしているか
 私達はあらためて考えるだろう。
 そして全ての人のための思いやりや
 民主主義や社会正義へと向かう道を進もうと自分に誓うだろう。」



「エコノミック ヒットマン Democracy Now !」 より著者の言葉

「地球全体が祖国だと思わない限り自国の安全はありません。
 今この危うい惑星で運命を共にする同じ種なのです。」

「企業は環境と社会に対する責任を負うという法律が必要です。
 企業は人間に奉仕するものでなくてはいけない。
 企業の目的は持続可能で公平で平和な世界の創出 
 という法律が必要でしょう。」


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世界は崖っぷち チョムスキーの言う通り...


「一般の人達は世の中で何が起こっているのか分っていない知らないという事さえも知らない」