「安倍総理の言う積極的平和主義とは積極的奴隷化主義」アーサー・ビナード

文化放送「吉田照美　飛べ！サルバドール！」知恵袋コーナー

～安倍総理が開いた有識者会議の名称は
　「安全保障と防衛力に関する懇談会」
　安倍氏総理は「積極的平和主義こそ日本が背負うべき２１世紀の看板だ」と述べ
　集団的自衛権の行使を可能するため動き出したことについて

アーサー・ビナードさんのコメント

ガラリと解釈を変えようと議論というが
このメンバーで議論

じゃなくて長話だろう

座長が柳井俊二元駐米大使
座長代理が北岡真一国際大学学長
この人もずいぶん前から憲法解釈の変更を叫んでいる
ここでPRが本格的に始まってアクセル全開

１２日に安倍総理出席した
「国家安全保障戦略に関する有識者会議」というのもあって
ここでも「積極的平和主義」という言葉が使われている

こちらの有識者会議の名前は「安全保障と防衛力に関する懇談会」で
「積極的平和主義」という言葉のPRキャンペーンが始まっている
ちなみにこちらの座長は北岡真一国際大学学長　だぶっている

「集団的自衛権」もそうだが
中身とパッケージをちゃんとわけて見て　中身を点検しなければいけない

「国際社会」という言葉もセットで使われるが
国際社会と日本政府が使う時は　アメリカ国防総省のこと

米国の軍事行動やPKO活動に　自衛隊を何の歯止めもなく
何の抵抗もなく　言われた時に派遣することを「積極的平和主義」と言う
積極的に出しますよということ

国際貢献につながるという安倍さんのレトリック

世界に平和をもたらすというへ理屈

武力で平和が作れる　という大前提で言うが決してそんなことはできない
シリアで人が殺されている　
だからミサイルぶち込んで止めなきゃって　ナンセンス

別に新しいことをやっているわけでない
ローマ帝国までさかのぼってやっていたことを見れば
帝国の伝統として続いていること

ローマ帝国がスコットランドに侵略し
スコットランドの先住民をやっつけていた時
先住民のリーダーのカルガカスの有名な言葉
「豊かな大地を砂漠にしてそれを平和と呼ぶ」
抵抗する生き物がいなくなれば静かになる

誰も帝国に対して言うことができなければ平和
皆殺しにすれば平和

「国際貢献」という名のもとで現代も進められている
世界中で争いが起こって　紛争地域というレッテルが貼られるが
すべてが米国とロシアを中心とした　勢力争いのゆがみがあるところ

部族間の紛争だ・宗教対立・文明の衝突・内戦だというが
全部仕掛けを調べると　すべて大国が仕掛けていること
後ろには大国の存在があり　それがなければ国際的問題にはならない

日本政府が「国際社会」つまりアメリカ国防総省のための貢献をしようとする
その憲法の歯止めも外した上で　米軍に言われた通り
「下請け孫請けの軍隊を出します」を目指している

もし集団的自衛権を行使できるようになれば
一方的にアメリカに守ってもらう　ということではなくなるのだから
日米安保の見直しとか　沖縄米軍基地返還も　地位協定も同時になくなさなくちゃ
対等な日米関係にならなければおかしい

これは対等な日米関係を前提にしたものではなく
完全に下請け孫請けなのだ　ということを見つめなければいけない

アメリカのヘーゲル国防長官は　集団的自衛権のことは言っていない
日本側の憲法をごまかすための言葉にすぎない

戦後　平和憲法が作られ公布されたが
その後　朝鮮戦争が　これも大国の紛争のひとつとして作られた

そのとき米政府が日本をどう使うか　日本の使い方利用仕方が変わった
それで平和憲法改正をさせようとしたのが　この朝鮮戦争のとき
米政府の道具としての日本の位置づけが変わった

朝鮮戦争の時は　吉田茂がちょっと頑張って派兵しなかった
その代わり自衛隊が作られた　という歴史もあるが
９１年湾岸戦争のときも　憲法が歯止めになって出せなかった