文化放送「吉田照美 飛べ!サルバドール」5月30日16時40分から

アーサー・ビナードさんのコメント


~東海村日本原子力研究開発機構の放射能漏れ事故について

「発生から1日半も過ぎてから発表された34人被爆事故」

人工的に作られた放射性物質の半減期はセシウム137は30年
プルトニウムは2万4千年

それと比べて人間の意識の半減期はものすごく短い
いったん変わってしまうと前の意識が思い出せない


おととしの2月の自分たちの放射能汚染に対する感覚を思い出せないでいる
僕たちの意識の半減期が来ていて
福島の事故前だったらこれは大変なとんでもない事なのに

みな慣れっこになってしまっている

事故を起こした当事者の意識は
そもそも50年前から安全なんか考えていないし
現場の人が被曝するなんて平気でやって来た
最初からそういう意識がない


風下に置かれている私達はもっと意識の低下とも戦わねば自殺行為


被曝といっても1ミリシーベルト程度じゃんと
思っている人がどうも多いが
法律で定められた一般人の許される被爆線量は年間1ミリシーベルト
限度が1ミリ


とっくに現実と噛み合ない法律になっているのだが
法律が間違っているのではなく
現実が間違っているということをしっかり踏まえて
どんなに低線量の被曝でも人体に影響がないとは証明できないのに
影響ないと言っていることがとんでもないこと


事故で沢山の人たちがその1ミリシーベルト超えて被曝している
そんな中でまたこのような事故で放射性物質をばらまくとは

警報機が鳴っているのに止めて実験を続けた
・・・うるさかったんだろうね


換気扇を回して放射能を外に出したという実態
本当に研究者なのか


日常茶飯事が「想定外」だったと
毎日毎日万引きしている人が「魔が差した」と言うようなもので
「想定外」というのはそれを普通にこれまでやって来たということ


原子力が想定通りにいったためしがない
想定通りにいっていたら今ごろ電力はただだし
輝かしい未来があって僕らは健康で
エネルギーの心配は何もない世の中になっているはず


日本の原子力研究のトップレベルの集団が
換気扇を回して放射能レベルが下がったから
「やっぱり漏れていたんだな~」って言う


警報機が鳴るから今回も止めたって
それは頻繁に鳴っていたということ

空気も水も濃度規制の法律があるが欠陥がある
これ以上の濃度になってはいけないと換気扇を回し外に出す
あるいは薄めて流す 流しちゃだめなのに


しかも1日半たって通報というのはバレなければいいということ


1942年12月2日にプルトニウム作りが
本格的にシカゴ大学の地下室で始まった

一歩間違えばシカゴの街は吹っ飛ぶし
放射能汚染ばらまきながらやっているし市民に知らせずにやってきた

それがずっと続いているということ 
原子力村はそういう体質そのもの


文部科学省はもんじゅの1万件の点検漏れで
日本原子力研究開発機構の抜本的見直しを行うと言うが
根こそぎにして根絶やしにしなければ抜本的な見直しはあり得ない
1万店の点検漏れって文部科学省はバカなのか
もんじゅの名を「もんぶ」に変えるべき


研究開発機構は原子力村の天下りが指摘されて来た組織で
福一の事故後はさらに活躍の場を広げ
除染ビジネスの総元締になっている


除染という言葉自体がペテンで除染はできない 移動するだけ
放射性物質はなくならない 幅広く撒き散らすだけ


福島の線量が下がっていると言うがそれは
埋めたり飛ばしたりしているから
また巡り巡ってやってくる

セシウム137の半減期は30年
セシウム134の半減期は2年
ということは半分のセシウムはもう半減期をむかえて半分になっている


つまり放っておいて除染しなくても4分の3以下にはなる
それを今原子力開発機構のお手柄と言う
2年ごまかして4分の3になって「減った・除染の効果」とうたっている


人体への影響の強いストロンチウム・プルトニウムは測りもしない

データも出さない

東京電力の対応を見ればわかる
日本原子力研究開発機構だけの問題じゃない
「抜本的根こそぎ抜本」でやっていただきたい

・・・・・・・・・・・・・・・・また来週



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