文化放送「吉田照美の飛べ!サルバドール」
  夕方4時40分頃から

5月23日アーサー・ビナードさんのコメント


~飯島参与の訪朝は本当に日本単独の挑戦


飯島さんの電撃訪朝したことについて否定的な意見が出ているが
僕は評価すべきだと思う。
拉致被害者ご家族にとって望みはひとつ「会いたい」。
拉致問題が動いて解決する事がみんなの思い。
事態が動かない事が問題。
あまりにも長い事動かないことに
みんなが慣れっこになっていることがおかしい。

関係国に事前に連絡がなかったと米・韓が不快感などと言うが
現実と噛み合ない話。
韓国はともかく米が知らなかったなんてあり得ない。
そんな日米関係じゃない。
日本政府からの正式な連絡がなかったということはあっても知ってたはず。
知らなかったというシナリオが語られる事がもうフィクション。

日米韓の連帯から日本が外れるなんて事はない。
今の安倍政権・オバマ政権・国防総省の関係からはずれるなんてことはない。

米朝関係を語るときに絶対忘れてはならないことがあって
60年経った今でも朝鮮戦争は続いている。

2月に「休戦協定の白紙化」と朝鮮政府が言ったように
戦争は続いていて休んだ状態が続いているだけ。
終戦講和条約はないし終戦ではない。

北朝鮮がアメリカとの話し合いを求めているのは
北朝鮮という国家その権力の存在を確保しようとしているため。
北朝鮮という組織にしてみれば60年間毎日存亡の危機。

一方の米側はアジアの中のひとつの駒として北朝鮮を見ている。
アジアを見渡した時にアジアをどう料理するかどう使うか。

だから北をカードとして使うには
北朝鮮が不安定な状況が継続する事が米にとって望ましいのだ。

歴史をみればどう考えてもそう。バッチリ維持して来た。

沖縄の基地問題と北朝鮮の問題もつながっている。
沖縄基地問題が解決しない要因のひとつも
いまだに終わっていない朝鮮戦争があるから。
朝鮮戦争は国連の警察行動としてやったこと。
米軍が日本に駐留している大義名分が朝鮮戦争国連軍だから。

普天間基地には国連軍の旗も掲げてある。それをふまえて語らなければ。
朝鮮戦争が終結してしまうと米軍が駐留する大義を失う。
だからましてや北朝鮮問題から日本が外れるなんてあり得ない。
日本もひとつの駒として見ている。


~日本が北と単独で交渉するということを米が見過ごしたのはなぜか


北朝鮮はいつもアジアの不安定の鍵・へそ。として使うが
コントロールのきかない不安定を望んでない。
コントロールきく不安定として使って来た。

日本に待ったをかけなかったとしたら
安倍さんに花を持たせる事が米政府のアジア戦略の中で必要。
安倍サンが外交で何かを成し遂げたら
米に取っていろいろないい得るものがある。
米軍の基地問題でも安倍政権が従順に飲むのに都合がいい。

憲法改正にとっても。アーミテイジなど関係者は日本国憲法廃棄処分したい。
もっともっと軍備をし日本の軍隊を使いたい。

TTPの問題も安倍さんが言う事を100%聞くので
安倍政権が安定して続いてくれる方がいい。
北朝鮮と同じアジアのひと駒として日本を使って
米政府の望んでいる方向に動いて行く。


これは拉致被害者の家族にとってはどうでもいいこと。
ある意味僕らにとってもそうで どうでもよくはないんだが
権力者の世界戦略と僕らの生活ってギャップが大きすぎる。


どうやったらオバマなど権力者が僕らを無視しないで世界を動かす
或いは僕らが世界を動かすという
そういう糸口・方向性を探らなければいけない。

拉致問題も僕はオバマが行くべきだと思う。
オバマが行って解決するべきだ。
オバマが行けば解決の糸口は簡単につかめるだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・また来週





キンコンカンせんそう 

作ジャンニ・ロダーリ 絵ペフ 訳アーサー・ビナード