文化放送「吉田照美 飛べ!サルバドール」
 (アーサーさんの登場は16時40分頃から)

5月16日アーサー・ビナードさんのコメント

今日のゲスト天野祐吉さんの広告批評1982年のグラビア 
糸井重里さん&浅葉克己さんの作品
「まず 総理から前線へ」



ビジュアル的にも優れているし古くならない広告。
総理官邸に張り出したいですね。



・・・今日の本題・・・

~原子力規制委員会が高速増殖炉もんじゅに運転停止命令
「これでもんじゅがもんじゃになるのを避けられる

最初の詩集「つりあげて」で「もんじゃ」という詩を書いた。
もんじゅをもんじゃだと思っていた。
高速増殖炉は事故ってぐちゃぐちゃになるから
ピッタリのネーミングと思っていたが
実は文殊菩薩を冒涜している日本の「高速冒涜減軽炉」だった。


原子力規制委員会の方針は
原発を海外に売りに行くと言うニュースの中では
一見原子力規制委員会の方針はまともに見えるかもしれないが 
異常な言論空間に置かれているからマトモに見えるだけで
実はまともではない。
廃炉命令を出さなきゃおかしい。

1万件の点検漏れ 
点検漏れというのはちゃんとしていてちょっとのミスが漏れ。
これは点検じゃなくザル。お漏らしっぱなし。
「点検ズサン」日本語がおかしい。

そんな企業にもんじゅを運転する資格はない。
もともとどんな企業にやらせても動かないもの。
世界中の国が止めた。高速増殖炉で発電は無理。

ナトリウムで冷却しているが
ナトリウムはちょっとでも漏れて空気に触れた瞬間に燃え大変なことになる。
配管が薄いからすぐ漏れる。
地震国で高速増殖炉を発電に使うなんてナンセンス。
案の定何もできないでいる。
運転停止?廃炉命令が出ないことがおかしい。


政府がこれを打ち切らない事自体がナンセンス。

動いていなくても1日5000万円注ぎ込む。
担当しているのは文部科学省。

日本の教育を司ってている所がこの不条理の世界をやっている。
せめてもんじゅの名前を「もんぶ」に切り替えて
責任の所在をはっきりさせた方がいい。

建設を始めたのが1983年。試運転が91年。
発電開始が95年8月29日で
12月8日パールハーバーの日に合わせたのかナトリウム漏れの大事故。

発電した期間が3ヶ月と言うが
もっと短いんじゃないか1時間という説もある。
費やされた僕らの税金がすでに1兆円を超えている。

年間何にもしなくても維持費だけで200億円。


責任を取らないのが原子力核開発。

だってプルトニウムの半減期は2万4千年。
この増殖炉はプルトニウム作りのために開発された炉だから
2万4千年の責任は誰も取れないというのが最初からの出発点。


着工から30年 設備が出来上がって20年。
そんな工場を今更動かす企業はどこにもないでしょ
自動車の工場だったらあり得ない。
発電所だってこんなことやらない。

でももんじゅは廃炉にならない。

電気を生まない代わりに電気を大量に消費する。
もんじゅを作るためにどれだけの化石燃料と電気を使って来たか
誰も計算できない。夏になると電気が足りないと言うが
もんじゅを廃炉にしないから電気が足りない。
毎年電気のピーク時に電気を食い荒らしている。
どうみたって破綻しているのに
どうして日本だけ撤退しないのか お教えしましょう


もんじゅがなくなると政府が維持しようとしている
ペテンの核燃料サイクルの計画が全て破綻する。

破綻している事を認めると予算に反映させなきゃならない。
六ヶ所村にある核兵器製造施設を兼ねた再処理工場
そこが約束違反になるから
そこに置いている想像を絶する量の廃棄物をどうするか。

もんじゅを止めることになるとプルトニウムが回らない。
核燃料サイクルと言っているサイクルができない。
じゃあこの大量のプルトニウムは核兵器に使うの

核武装の隠れ蓑がなくなり電力ともんじゅは関係ないこと
もんじゅは核兵器のプルトニウムの製造機として存在している事がバレる。


日本は核武装するつもり 
或いはしていてそれを維持するつもりなんだ 
冷静に外から見ている人は判断している。

こないだのジュネーヴでの
「核兵器は非人道的で使ってはいけない」というのに署名しないのも
これとピッタリ噛み合う。

政府が認めなくても冷静に見れば
もんじゅは原爆を作る最高級のプルトニウム作り機。

プルトニウムを生み出すものだから諦めない。ということ。

全く情けない...。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・また来週


はらのなかのはらっぱで