そのコンペ対策、正しいですか? (後編)
これは特にプロ(およびセミプロ)の方
に申し上げたいのですが。
プロにとって、コンペとは挑戦というより
「お披露目」です。
海外コンペのプロ部門に出るロシアやウクライナの人たちは、ほとんどその意識だと感じます。ジャッジたち(自国で主催もしてることが多い)へのアピール感がハンパありません(笑)
メダルに固執するより、皆を魅了してしまう方が、結果的にたくさん活躍できて実績が積み上がり、プロダンサー人生として最終的に果実を得ることを知っているのです。
「えっ、、だれ誰?あの人何て名前のダンサー!?」
と、多くの人に思わせれば、オファーのチャンスはおのずと訪れます。
そんな人がたくさん挑戦し続ければ、メダルは「運」だから結果的にどこかで取れます。
プロにとってコンペは、メダルを競う場ではなく
「売り込み」の場だと考えてください。
主催者たち(客席にも紛れてる)はコンペ決勝プロ部門を、金の卵を見つける姿勢で見ています。
お客さまは新しいスターとの出逢いを期待してます。
余談ですが、私が初めてトルコのフェスに行った時、素人さん用のオープンステージのラストに、火の鳥のようにアンナ・ボリソバが登場した時のインパクトは今でも忘れられませんww。
「今回のゲスト達より私の方が良くない?ねえ!」と言わんばかりの踊りに、誰もが呆気にとられつつ魅入られてました。あの姿勢だからこそ、今や世界で活躍しているのでしょう。
またTIBCでリアさんが優勝した時、審査員のスライヤが「あなたを私のフェスに招待するわ!」と副賞でもないのに言ってたのを覚えてます(ちょうど妊娠してて行かなかったようだけど)
人の心を震わせれば
運命はひらけるのです。
メダルがひらくわけじゃないよー
その機会の分母を大きくすることが、プロダンサーには何より大事です。
一球入魂ではありません!
「あのコンペは審査員が好みじゃない」「メダル取れるか分からないのに参加費が勿体無い」「私はアラブの人にしか審査されたくない」、、、etc
アレコレ言ってコンペを選りごのみするのは本人の自由。
でもそれは、勝つ確率を減らすと共に、「自分のお披露目」という貴重な機会を犠牲にしてることでもあると認識してください。
得られたかもしれない、観客席にいる「あなたのファン」を獲得し損ねてるのです。
この損失に意識が向かないプロが多いことに、とても驚かされます。
(私は普段PR関係の仕事をしてるので尚更)
世の中ではいろんなジャンルのEXPO(博覧会)が数多く開催されてるのをご存知ですか?
たくさんの人を集めて一度に多くの顧客たちに情報発信するのに効率的だからです。どの企業もそれなりの出店費用を支払って参加します。
ホールで踊るというのは、これに等しいことを、わずかな経費負担で適えることです。しかも自分に最大限の注目を集めた状態で。
それを軽視するというのは、
「皆の記憶に自分を残す」という
ダンサーにとってこれ以上の効果はない名刺を、何百人にいっぺんに配れるチャンスを放棄しているのと同じこと。
厳しい言い方ですが、、、そんなフワフワさんが
芸能の世界でプロとして生きていく、第一線で活躍するって、
可能なものでしょうか、、?
想像してみてください。
もし自分の娘が女優志願なのに、「あの監督の映画は私の好みじゃ無いしぃ〜」といってオーデション受けなかったら、、、?
「演技さえ上手なら、誰かが私を見つけ出していきなり主役に大抜擢してくれるはず」、、とか言ってたら?
両肩持って揺さぶって「女優ッ、女優ッ、女優ッ!!勝つか負けるかよ、いいッ!?」て、三田佳子のようになるでしょwww?
お金を出してもお披露目の場を得られない人の方が多いのに。。。(お金だけで出られるコンペもありますが、それは事実上ハフラなのでw、お披露目の場といえるのは勝ち抜いた人たちの舞ですね)
私のように実力では決勝に残れない身からすると(涙)、たいそう勿体無いです。
もう一つ余談となりますが、
半年前、画期的なショーがシルクロードカフェで開催されました。
なんと、「コンペ決勝戦によく出る4人」が集まってのショーだったのです!(カズヤ君は後付け)
数多くの地道なコンペ挑戦により、すでにある程度の認知とファンが形成されており、店内は大入り。
つまり新しいマーケットが醸造されたのです!
都内出身のダンサーが1人も居ないのにw、シルクロードカフェが埋まるって、これってスゴイこと。
屁理屈ばかりこねて「自分のプロモーション」を怠ったダンサーに、このような栄光は訪れません。
ホール公演にオファーされることは容易ではないけど、コンペなら勝ち抜けば堂々と踊れるのです。
日本ではオーガナイザに「出して、出して〜!」と直接アピールすると引かれてしまい避けられますがw、コンペはむしろ真剣に見てくれます。
増えたといっても、アジアに比べればせいぜいな数の日本のコンペを、プロの方はもう少し気楽に「売り込みの場」として活用すればいいと思います。
メダルに関して言うなら、同じ演目でも審査員によって評価が変わるのは当たり前です。
いろんな審査員に見てもらうべく、いろんなコンペに出ることこそが、本当の対策です。
<余談その3>
昔の日記にも書きましたが、
私は何とかメンズの存在を広く世間に伝えたかった頃、特に地方からのお呼ばれなどは、どんな条件のショーでも有り難く受けてきました。
つか、喰らいついてましたw
だって、いっぺんに何十人から百人単位の人たちに、男性ダンサーを見せることが出来るのだもの。こんな効率的なことありません。
メンハフを企画したのも同様の理由です。
結果として私の知名度は上がりました。
それは後付けのオマケですが。
でも、その事が色んなショーに呼ばれる後押しとなりました。
あの頃の出費部分は、経費と考えれば今じゅうぶん回収できてます。
それが商売というもの。
アマは趣味だから、商売じゃなくアーティスト気取りで踊っててもいいと思います。
でも、プロは商売できなきゃダメですw
ダンサーは自分の身ひとつで、ろくな設備投資もせずに日銭を稼げてしまうものだから、その辺の経営感覚が薄いのですが。
商売とは本来ロングタームです。「損して得取れ」の精神です。
・WSで習うのは経費と思うのに
・練習のためのスタジオ代は経費と思うのに
・衣装やメイク道具は経費と思うのに
・お披露目の場を経費と思えないのは
芸能ごとの商売としてアウトです。
もちろん投資が最終的に回収できない場合もあるでしょう。
どんな商売だって甘くはありません。
でも、たとえ商売で結果的に失敗したとしてもいいじゃないですか。
だってダンスが好きなんだもの。
アートを仕事にするって、そういう救いがあるのが素敵なことだと思いませんか?
世の中見渡してみて、そんな商売ってそうそう無いですよ。
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