エジプトの文化を重んじる? | ♂だけどベリーダンスがんばるブログ

エジプトの文化を重んじる?

メンズベリーダンサーを特集して下さった Bellydance JAPAN vol.18 に、
海外で活躍する男性ベリーダンサー Ahmed Hussein さんのインタビューが載っていたのですが。

エジプト出身の彼としてはやはり、
男性がキラキラした衣装でオリエンタルを踊るのを良しとしない心情がありありと溢れてます(笑)


「男性であれ女性であれ、異文化のダンスを踊るのであればその文化を理解し尊重した上で踊りたいもの」
「エジプトの男性はいわゆるベリーダンスは踊りません。結婚式などで興がのって踊りだすこともありますが、肌を露出する衣装などは着ないのが基本」
「アラブ圏のダンスに興味がある男性には是非フォークロアを踊ってみて欲しいと思います」「タブラを叩くのもおススメです」
「いずれにしても男性用のガラベーヤやパンツ&ベストなどがいいでしょうね」


……まぁ、ようするに、男はアサヤサイーディータンヌーラなどをやっとけ!て言いたいんですね。(笑)

このように考えるエジプト市民は、男女かかわらず多いと思います。
もともと保守的な文化ですからね。



でもね。



もし彼が、本当~に「エジプトの文化を尊重」した上で活動なさってるなら、
教え子達にこう言ってるはずです。










「自分の旦那さん以外の前で踊ってはいけませんよ」と。








むしろ「男のオレに習いに来るんじゃねえ!恥を知れ!」と叱るべきです(笑)





実際、ベリーダンスに憧れてエジプトに行って、現地の男性と結婚したら
ベリーダンス習うの禁止
にされてしまった笑い話もあります。(←本人、笑い事じゃない)



 Ahmed さんもまた、エジプトの文化を「自分なりに解釈」して、「ここまではアリ」…という着地点を見出してるに過ぎないのです。

ですから自分と違う着地点の他人に対して「文化を尊重したいものですねとか遠回しに批判めいたコメントするのはいかがかな…?と存じます。

言っちゃなんだが、五十歩百歩同じ穴の狢ドングリの背比べ目クソ鼻クソを笑…(以下自粛)



そもそも本当に敬虔なイスラム文化であれば、「踊り」自体が不謹慎だしね。
言い出したらキリが無いんですよ。
ベリーダンスがイスラム圏に存在しうるのは、黙認妥協自己解釈の産物といえます。


そして同じような台詞を、日本の女性が口にしてるのを聞くこともあります。
「あたしはね、ベリーダンスを単なる踊りとしてではなく、文化として大事にしたいのだから男性が踊るのは反対!











おめぇも旦那の前でしか踊るなや!!!









ファンベールとか論外だぞゴルァ!!!!







…なんかね。もう、こうもすべて自分に都合よ~く解釈して(しかも、ろくずっぽ調べんと)
年に1~2回エジプト行くくらいで(フェスティバル会場と衣装屋とナイトショー往復してるだけ)、
「エジプトわぁ第2の故郷ぉみたいな顔してるのって!どうよ?どうなのよ!?

こうゆうのに限って、矛盾を突くと
でもぉ、ここは日本だしぃ、アタシ別にイスラム教じゃないしぃ~」とか急に開き直るのな。。。カナワン





みなさん、ホント「文化」て言葉に振り回され過ぎ!



文化って、聞こえはいいけど、要は「長い間そうしてる」てだけですよ。
絶対の正義ではないし、宇宙の真理でもありません。
たんなる時間軸における「多数決」です。


そして世の中には、「良い文化」と「悪しき文化」の二つが存在します。


女性に対し肌を露出すべきでないと、目以外全部覆った服装を強要するのも、
長らく参政権を与えなかったのも、不貞に関する扱いが男性より著しく酷いのも、
すべて「悪しき文化」です。


たとえ何世紀もの間そうであったとしても、それは正されるべきであって、駆逐されるべき文化です。


けっきょく、「男女の区別」異常キッチリ分けるエジプトの文化(つかイスラム全般)が、男性ダンサー云々どころか中東の女性すべてを抑圧している根源となっているのに、それを「やっぱりぃ、文化ってぇ大事だと思うのぉ~て安易に賛同するのって、とてもバカ浅はかだと思いますヨ。



エジプト人にもトルコ人にも、オリエンタルを踊る才能ある男性ダンサーは居ます。
しかしその多くは拠点をNYロンドンドイツ等、故郷以外に置いています。
Bellydance JAPAN 同号において、世界的ダンサーである Khaled Mahmoud 氏はこう語っています。


「エジプトには男性である私がベリーダンスを踊ることを快く思わない人が多くいます」
「今でも、私がベリーダンスを踊ることを家族全員が認めてくれている訳ではありません」
「そのせいで疎遠になってしまった家族もいます」……





ーー「好きな踊りをしたいだけ」




ただそれだけなのに、故郷から、家族から遠ざかる必要がある状況を、
私は「尊重すべき文化」とはとても思えません。



変わるべきです。YES WE CAN !



これまで、ドバイの石油商人みたいな格好でしか人前で踊ってこなかったTITOも、最近では「6億円はいただきよ」みたいなムチムチな衣装でオリエンタル踊ってますし。(笑)
日記で紹介した Prince Kayammer 君も、司会者から「nice body ~」とからかわれながら(笑)愛らしい衣装でご活躍です。
そして  Tommy king ときたら…(以下略)


なでしこジャパン柔ちゃんの活躍が当たり前になったように、
いずれはエジプトやトルコでも、男性がキラビヤかな衣装でオリエンタルを踊るのが当然の景色となるでしょう。


日本の女性達も、「文化」という言葉に安易に踊らされていないで、
これからの「新しい文化」を一緒に作っていってもらえたらと思います。
時間軸における「多数決」はいずれ逆転します。



最後に、Khaled さんのインタビューにあった素敵な言葉を記しておきます。


男性に限らずすべてのベリーダンサーに向けてのアドバイスということになりますが、「できない」と言わないこと心の目を閉じないこと、そして踊りたいという心の声に素直になることです。