Axanthic 劣性モルフ(Recessive Morph)

 

Axanthic

 

BabyのAxanthicは銀色の発色がかなり強く

モノクロの様な表現をしてくれます。

隣にEnchi等を置いて見比べると

まさに金と銀のBallpythonを見ている感覚になります。

 

そんなAxanthicには異なる遺伝子変異に基づく繁殖系統があり、

それぞれのLineには互換性がありません。

 

Axanthicの有名なLineは以下の通りになります。

 

VPI (Vida Preciosa International) 

TSK (The Snake Keeper)

MJ (Markus Jayne)

GCR (Gateway City Reptiles)

Jolliff (Michael Jolliff)

 

これらのLineは互換性が無い為、

VPI Axanthic×TSK Axanthicを掛け合わせても

生まれてくる子供は全て

Normal Double het VPI Axanthic TSK Axanthicになります。

Axanthicのホモ表現ではなくNormal表現で

それぞれVPI Axanthic TSK Axanthicのhetになります。

 

VPI LineAxanthicは1991年、フロリダに拠点を置く輸入業者から

Brian Sharp を介して入手した♂を繁殖に用いてhetの子供を採りました。

そこから交配させてホモのVPI Axanthicを誕生させたのは1996年の出来事です。

 

TSK LineAxanthicは1996年にアフリカから輸入した個体から

同様にhetを採って2000年にTSK Axanthicを確立しました。

 

次にAxanthicの色について。

まずAxanthicという言葉は黄色色素欠如を表しています。

接頭辞の「A」は否定を表している為、

Xanthic「黄色色素が強い事」の否定=黄色色素欠如となります。

 

また、Ballpythonの色について軽く触れると

爬虫類は3つの色素胞をもっています。

 

1.黒色素胞

2.虹色素胞

3.赤黄素胞複合体

 

Axanthicは3つ目の赤黄素胞複合体が欠損している為

Normal等で見られる黄色味が無くなる事で

グレーの綺麗な灰色を発色するとされています。

 

この事から考えられるのはAxanthicのBrown Out(退色)は

赤黄素胞複合体の欠損具合により変化するものだと推測しています。

 

Axanthicでよく懸念される事項として

Brown Out(退色)が挙げられます。

ほとんどのMorphでBrown Out(退色)は避けられない事が多いですが

AxanthicはBabyの時のグレー色が人気の1つであるが故に

Adultになるにつれての色の変化が目につきやすいです。

 

その為、Adultでも綺麗な銀色を維持している血統は人気な事が多く

そこに関係しているのが赤黄素胞複合体の欠損具合であると考えています。

 

また、冒頭で説明した複数のLineにもそれぞれ特徴があるとされています。

有名な特徴としてはVPI LineはBrown Out(退色)しにくく、

TSK Lineは白が強いとされています。

 

実際にかなりの数のAxanthicのLineを

管理していないと分からないと思うと同時に

Axanthicの個体を見てLineを見分けられる人は世界を探しても

ほとんどいないと感じています。

 

その為、Lineによる特徴は参考程度に捉え

自分が実際に個体を見て判断する事をお勧めします。

 

長らくBallpythonの人気を支えてきたAxanthicには

別名が付いたComboが複数あるので1部紹介していきたいと思います。

 

True Ghost aka Axanthic Ghost

Snow aka Albino Axanthic

Lavender Snow aka Lavender Albino Axanthic

Lightning Pied aka MJ Axanthic Pied

Zebrabee aka Pastel Spider Axanthic

 

Axanthic Comboの中でも個人的に大好きなのがTrue Ghostです。

 

↑TSK True Ghost aka TSK Axanthic Ghost

 

Singleで光沢のある銀色を発色してくれるAxanthic

Ghostが入る事によりワントーン色が落ち着きます。

その結果シックなグレー色になり上品な印象を個人的に感じました。

 

また、Ghostが入る事によりBrown Out(退色)が

かなり軽減されるのでAdultになっても色合いをKeepしてくれます。

 

近年ではAxanthic DesertGhost

世界各地でBreedに成功されており日本でも誕生しています。

成長と共に色がWhite Outしていく DesertGhostの特徴が 

AxanthicのBrown Out(退色)に

どの様に作用していくのか成長過程を見てみたいです。

 

ここからはAxanthicと相性が良いと感じている

MorphとのComboをいくつか紹介していきたいと思います。

 

 

↑Pastel Axanthic

 

Axanthicは基本的に明るい系・暗い系

両方のMorphとの相性が良いと感じています。

その中でもPastelとの相性は抜群でモノトーンの色合いを醸し出します。

 

ここから更にPastelを加えてスーパー体にしたり

Vanilla/Fireあたりを加える事でメリハリが効き

白黒のBallpythonに近づていきます。

 

 

↑Pastave Axanthic aka Pastel Mojave Axanthic

 

先程の個体にMojaveが加わったComboになります。

更に明るくなると共にPatternが完全にMojaveに引っ張られています。

Sideの栓抜き柄が大きく横に整列するように並び

若干色を淡くする作用が働くことにより

この様な表現に落ち着いたと考えられます。

 

Mojaveにも黒が強い個体や淡い個体がいるので

選別して自分好みのAxanthicに近づけるような個体を

選んでBreedする事で独自性が生まれ、

更にBreedの面白さが深くなると思います。

 

↑Firefly Axanthic aka Pastel Fire Axanthic

 

先程の個体のMojaveFireに置き換わった個体になります。

FireMojaveを比べるとFireの方が色が淡く明るい為、

AxanthicとのComboでもワントーン明るくなっているのが分かると思います。

 

SingleのAxanthicと比べると黒い部分の色が

かなり白くなっており、まさしくモノトーン調の表現を体現しています。

 

ペットとしても人気な上にBreedを考えると更に明るいMorphを足すことで

白黒のメリハリが効いた個体が狙える将来性も兼ね備えています。

 

 

↑Killerbee Axanthic aka Super Pastel Spider Axanthic

 

他の画像の個体達よりも若干育っているのが分かりますが

それでもここまでモノトーンな色合いをKeepしてくれています。

Killerbeeが既に明るく白い部分が多いComboですが

Axanthic化する事で完成形に近づいている様な気がします。

 

Spiderが柄を細くする事により

元々黒色であった部分の面積が細くなり

白色の面積が増える事により全体的に明るい印象が強くなっています。

 

PiedLeucisticとはまた違った種類の白色をしており

若干くすんだ様な色合いになるのがAxanthicの特徴です。

 

 

↑Calico Axanthic

 

CalicoAxanthicの良さをお互いに引き出しあっている

お手本の様な個体です。

Calicoは黒が強くお腹からサイドに向かって白抜けしていくMorphですが

AxanthicとComboになってもその特徴がしっかりと反映されており

黒・白・銀の色がしっかりと表現されています。

上から見ると銀色で横から見ると白色が見れる

他にない楽しみ方が出来るComboだと思います。

 

個人的にはここにBlackheadを入れて

背中の黒を強くする事で更にメリハリをつけた

Three Color個体を生み出したくなります。

 

次にAxanthicの話題でよく挙がるのが

Black AxanthicStormtrooperではないでしょうか。

ここで取りあげてもいいのですが、

せっかくなので別記事にまとめたいと思います。

 

写真だけ下記に載せておきます。

 

 

↑Black Axanthic

 

 

↑Stormtrooper

 

Axanthicも奥が深いMorphで

多くの方が魅了されている理由が分かりますね。

 

ちなみに余談ですがLightning Pied aka MJ Axanthic Pied

MJ LineAxanthicでしか名乗れないとされています。

それは MJ AxanthicのOriginator

 Markus Jayne がその様に定義しているからです。

 

特に大きな違いは無いと思いますが

自分のLineに誇りを持っており、差別化を図っている為だと思います。

 

自分の個体に誇りを持ち布教しているBreederは

個人的に尊敬できると共に目指したい姿の1つです。

 

また、ややこしい名前でHet Red AxanthicRedAxanthic

聞いたことがある方がいると思いますが

これらのMorphとAxanthicは遺伝的に全く関係性の無いMorphなので

気を付けておくと間違いが無くなると思います。

 

何故、この様なややこしい名前が付いているのかは

下記のBlogにまとめているので是非、読んでみて下さい。

 

 

 

今回はAxanthicについてまとめていきました。

白銀のBallpythonは渋くカッコいいですね。

紹介したComboは基本的に明るい系のMorphが多かったですが

黒い系のMorphとの相性も良いので是非自分で調べて見て下さい。

Blackpastel.Blackhead.GHIなどのComboがおすすめです。

 

それでは次の記事でお会いしましょう。

 

δ7Ballpython

 

画像引用 WOB