時系列に並び替えると、
2章→3章→4章→5章
→はじまりの章→おわりの章
になっている。

主人公は気分がすぐれない時
口に手を突っ込んで吐いてリセットする。
悲しみとか苦しみとかが匂う。
実家に帰ると
太ってしまった母親
家を出て久しぶりに戻った父親
メチャクチャにペディキュアを塗る妹
愛想を振り撒く犬のさくら
が登場して、
主人公の悲しみとか苦しみとかは
全く別々に家族のものでもあると分かる。
それは
2章冒頭で
兄の死に起因することが明かされる。
そしてすぐに子供時代の回想、
それはそれは幸せな家族時代の話になる。



ここから中々読み進められなかった。
どれだけ彼らが幸福だったか
語られるほどに、
その後の悲しみが大きく思えて、
2章3章4章を
ダラダラ読んだ。


今までの西加奈子の本、
『漁港の肉子ちゃん』
『サラバ!』は
優しいハッピーエンドだった。


だからきっと

『さくら』も優しく着地する、はず。


さいご、

私は大泣きした。

『サラバ!』で

実は母親が父親だけを

愛していたような、優しい救いを

ここでも見た。