Cenoteの中には地中の鍾乳洞が崩落して大穴になっているものもあって、水中には崩落時に上に生えていた樹木がよく沈木として残っている。
化学は詳しくないのだが、沈木が腐食する際に硫化水素を出すらしく、閉鎖空間だった場合にはそれがずっと拡散せずに残ってしまう。
硫化水素は淡水より重く、水中で混ざることはなく二層に分かれるため、水中に雲海が広がるような得も言われない異世界な風景を作り出す。
今回最も撮影したかったのがこの風景なのだけれども、上部から太陽光はあるものの、水深-30mほどの狭い空間のためISOを4桁に上げても追いつかないほど暗い。
ライトを点けると浮遊物に反射して濁ってしまうのでノーライトで撮影するしかなく、なかなか思うように撮影ができない。
本当の水底はこの雲海の下更に-30mほど。畏怖を感じてしまうが、ちょっとばかり雲の下に入ってみる。濁っていて何も見えなかったが…