白山と蒼い池 | Nature | Photography | Music | Art

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長年ずっと撮影したいと思っていながら関東からのアクセスの悪さや気象条件などが合わず先送りになっていた白山にようやく一泊二日で行くことができました。
以前から白山に登るならこの時期だと決めていた。

この時期である理由は後述するが、夏場は人でごった返すであろうこの山もまだまだ雪渓トラバースなど危険箇所もあってそれなりのスキルの人しか来ない。平日だったこともあり、まあまあ静か。

梅雨時なので快晴の持続はあまり望めないが、ドラマチックな雲などが出現してくれればそれはそれで嬉しい。
梅雨時の登山はある種の賭けのようなところがある。

登山口である別当出合からアクセス時間の比較的短い砂防新道経由で室堂小屋を目指す。

道中最大の難所・雪渓トラバース。踏み外せばそのまま崖下へ。空身ならなんでもないが、荷物が重いので少々緊張する。




重荷ゆえ時間がかかるが、とりあえず山小屋に到着。

探検は明日にして小屋前のベンチで御前峰を眺めながらのんびりすることにする。
雪原に落ちる夕日。





若干の仮眠の後、星撮影タイム。梅雨時の尋常でない湿度のためレンズが曇ってしまい難儀する。

 


ここの星景撮影の難しいところは山小屋のある室堂平から御前峰山頂方向が北になる点と御前峰以外はのっぺりした平原のためにいい構図が限られる点。


無理やり天の川をフレームに入れる。




南側にもいい風景があるが、勝山・大野方面の光害がひどくあまり撮影向きではない。

理想を言うと山頂の裏側から南方向に狙いたいところだが、夏の昼間でもルートが分かりにくい場所の上に雪渓のトラバースなどしなければならないという話なので暗黒の中ではなかなか難しい。

翌朝、夜間登山をして御前峰山頂で黎明を待つ。
晴天予報で実際に上空は晴れているのだが周囲にガスが発生してご来光はこんな感じ。




時折隣の剣が峰の先端が顔を出す。これはこれで趣がある。




さて、白山は三つの山頂を取り囲んだ広大な高層平原がありそこに7つの池が散りばめられている魅力的な山。


そして今回の主目的は登頂ではなくてこれらの池々とそこに広がる風景を撮って廻ることだった。
お池巡りをするために御前峰から反対側に降りていく。ここから先は夏でもルートが分かりにくいと聞いていたが、雪の上に最低限のマーキングをしてくれているのでなんとか辿ることができた。

そして見えてきた以前からずっと見たかったもの。ガスが残念だが。




雪解けの時限定で見られる残雪の上に浮かぶ蒼い池。水底が白だとこんなに美しい色になる。
グリーンランドの氷の峡谷や八幡平のドラゴンアイもたぶん同じ原理。


近づいてみる。




いつもなら水中も撮るところだが、さすがに危険なのでやめておきました。

別の蒼い池も発見。後ろの剣が峰を従えて神々しい。




その他地形的な見所が盛りだくさん。白山は圧倒的に裏側の方が面白い。


 

 



梅雨時にガスや雲と格闘する登山もなかなかよいものです。