Roland創業者の梯さんが亡くなられた。
晩年にはお家騒動に巻き込まれたのが残念ですが。
富田勲さん逝去の時も同様、(日本のマスコミにはもはや何ら期待はしていないが)芸能・スポーツ以外の偉人はどうしてこんなに扱いが小さいのだろう…とりわけ音楽・芸術の分野。
おそらくこの方の最大の業績のひとつはMIDI規格でしょう。
MIDIは楽譜の発明と同等の歴史的価値があるのじゃなかろうかと個人的には思う。
MIDIが登場したおかげでコンピュータに音楽(ピッチと長さを持った単音の集合体としてとしてのみだが)を認識させる汎用的な手段を持ちえたわけで、その恩恵は計り知れず。
MIDI規格は当時の技術水準に合わて制定されたため、数十kbps程度のUARTシリアル通信で楽器数もチャンネルも最大16という現代から見ると蚊の鳴くような貧弱この上ないスペックだが、今でも多くの音楽制作でこの規格は避けて通れない。
自身もMIDIの使えない音楽制作など考えられないし、MIDI一つだけに関してでもこの方の業績の恩恵は計り知れず。
次世代MIDIとしてOSCなどの新しい規格が出てきているが普及しているとはとても言えず。
Rolandとの出会いはいつだったか…数十年前に中古のJupiterシンセをなけなしの小遣いで買ったのが最初かな?
たぶん実家の押入れにまだ眠っているはず。
その後Roland(及びY社とK社)に幾らつぎ込んだかは計算できないが、このあたりのDTM機材は購入後十数年経ってソフト音源全盛の今でも現役で使いまくっております。
一昔前、ひょんなきっかけでRoland浜松本社に仕事で打ち合わせに行ったことがあり、(残念ながら作曲家・ミュージシャンとしてではなく、しがない泡沫エンジニアとして…)ロビーに歴代製品がずらっと並べられていたのは圧巻だった。
梯さんありがとう。安らかに。