ギヤボックス自作という道楽 | Nature | Photography | Music | Art

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「手段が目的になってはいけない」

…というのは重々わかっていながら、最近メカニカル関係の設計が面白くて、空き時間にいろいろ試行錯誤しています。

要はドリーを始め、カメラの視点移動のための駆動用途なのですが。

ここ最近のドリー駆動は以前に

http://ameblo.jp/delphinus1024/entry-11985155812.html

で書いた構成を主に使っていたのだが、実務上いくつか問題があり、たとえば、

・筐体が歪みやすい。基本的に山行用大型リュックに一切合財ぶちこんでいくことが多いので精密部分をむき出しというのはよろしくない

・駆動中に脱輪。上と同じ原因。

・傾斜角度が大きくなると脱調で停止する場合あり。小型軽量モーターなので、ウォーム減速一段くらいだと若干頼りない。

ということで、これらの改善をすべく今回新しく試作したギヤボックスがこんな感じ。





筐体はいろいろ検討した結果、タカチのアルミダイキャストを採用。

ギター・エフェクターなどにも使用されている実績も多々あり、踏んでも蹴っても問題なし。アルミなので見た目ほど重くないスグレもの。

表面が落書きで汚いのは加工時に最近会得した裏技を使用したからです。

PC上で作成した設計図の三面図(四面図)を原寸のままプリンタでラベルシールに印刷。



それを筐体に貼り付け、絵の通りにポンチ&穴あけをすれば、手持ち工具でもサブmm単位で正確な加工が出来るのです。
「剥がしやすい」系のラベルシールを使えばよかったのですが、手元にあったのが「強力・剥がれない」系しかなかったので汚い仕上がりになってしまいました。

内部はこんな感じ。



非力なモーターをカバーすべく、ウォームギヤを2段階。高速移動は不可能になるが、かなり強力に引っ張ってくれる。

さほどパワーが必要なければ、こちらの一段減速軸を使えば高速移動も可能。



モーターはコパル製の小型ステッピングモーター。安くて軽くてトルクもそこそこあるので愛用しています。



このコパルモーター、以前は秋葉原の部品屋で普通に買えたのだが、去年コパルが日本電産に吸収合併されたためか入手性がすこぶる悪くなっているようです。見つけたら大人買いしておく必要あり。

もう一つ愛用しているのがフレキラックという回転->直線の変換をする部品。



軽量な上に丸めて運べるのでアウトドアでの使用に最適。耐久性も見た目よりずっとしっかりしています。

精度の問題で自作は難しいと言われるギヤボックスですが、だいぶノウハウも溜まってきてかなり自由に作れるようになってきたので、そのうち時間を見つけては多軸駆動にも挑戦してみようかとも考えてます。

このあたり、もちろん市販品もあるのだが、特殊製品のため高価だし軽量なものは皆無。やはり目的に適ったモノを自分で作るしか道がないようです。