政府事故調による福島第1原発事故最終報告書 | はい、タケコプター

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<政府事故調>「東電・政府に複合的問題」最終報告書で指摘
毎日新聞 7月23日(月)13時50分配信

 東京電力福島第1原発事故を調べていた政府の事故調査・検証委員会(畑村洋太郎委員長)は23日、最終報告書をまとめた。事故が深刻化した背景には、東電の初動対応に不手際があり、政府の避難指示や情報発信などで被災者の立場を踏まえていなかったと分析。事前の津波対策も不十分で、東電や政府に「複合的な問題があった」と結論付けた。再発防止に向け、広域で甚大な被害をもたらす事故・災害には発生確率に関係なく対策を行うという新たな防災思想の確立など25項目を提言した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120723-00000040-mai-pol




福島第1原発事故の事故報告書は政府の事故調査・検証委員会の報告書で全て出そろったことになります。
細かい違いはあれ、東京電力が提出した報告書以外は、ほぼ同様の内容になっているのではないかと思います。

結局のところ、事故は3・11以前からその芽があって、当日の不適切な対応も重なり大事故につながったと言えるでしょう。東京電力でも福島第2原発は辛くも冷温停止に持ち込んでおり、原発の運転員や首相官邸の手当が適切であればもう少し結果は違ったと言えるでしょう。

しかし一番大きかったのは安全神話に胡座をかいていたことでしょうね。
放射性物質というものは非常に危険なものであると言う前提から、タブーのようなものができてしまい、それにある程度妥当と思われる手当をすれば、どんなことがあっても安全だと思いこんでしまうようなところが確かにあったと思います。

現在の原発再稼働についても、確かに少々安全対策は進んだかもしれないけど、どこかに落とし穴があかもしれないと言うことを絶対忘れないで欲しいと思うところです。

38ページの報告書概要を読みましたが、最後の段にかかれていたことは我が身に置き換えても考えさせられるものでした。

(1)あり得ることは起こる。あり得ないと思うことも起こる。
(2)見たくないものは見えない。見たいものが見える。
(3)可能な限りの想定と十分な準備をする。
(4)形を作っただけでは機能しない。仕組みは作れるが、目的は共有されない。
(5)全ては変わるのであり、変化に柔軟に対応する。
(6)危険の存在を認め、危険に正対して議論できる文化を作る。
(7)自分の目で見て自分の頭で考え、判断・行動することが重要であることを認識し、そのような能力を涵養することが重要である。



しかしながら、先日の公聴会での電力会社社員の発言は、これとはほど遠いものだった点が非常に残念でした。
「死者が出ていない」という発言はまさに"見たくないものは見えない。見たいものが見える。"の典型です。


再生可能エネルギーの信頼性が今ひとつ心許ない中で、原子力発電の継続は部分的に止むをえないとは思うのですが、本当に今のまま進めていっていいのか、深く疑問に思うところです。