静岡総合研究機構シンポジウム「静岡県の未来戦略」 | はい、タケコプター

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今日の午後、静岡総合研究機構シンポジウム「静岡県の未来戦略」を聴講に行ってきました。

年に一回開かれているシンポジウムだそうですが、静岡総合研究機構は今年度いっぱいで終了となるため最後のシンポジウムだそうです。

前半は静岡総合研究機構の研究報告が行われました。
内容は
・静岡県の製造の現状と将来像
・医療・福祉機器産業の活性化方策
・農産物輸出をきっかけにした地域活性化策
・新たな観光資源の創作
・静岡県の出生率向上対策

でした。

個人的に興味を持ったのは新たな観光資源創作の報告でした。
いわゆるニューツーリズムといわれるようなものなのですが、これは昨年の静岡県の事業仕分けで 小生が担当となった事業のひとつでした。

事業仕分けの事前準備ではいろいろ文献を調べたり、そちらの分野に通じた友人から話を聞いたりしましたが、その段階でいろいろと問題点があることが分かりました。
たとえばフィルムコミッションの場合、非常にロケ地の地元に負担が大きく、さらに制作費の制約からダンピングの要請がかかり、ビジネスとしてはうまみが薄い場合もあることなどです。しかしこれをアニメで実現すれば、実写とは異なり、比較的地元への負担が少なくメリットも大きい点を指摘しており、納得出来るものでした。

事業仕分けでは世間一般で言われる「リピーター」、つまり同じところに何度も足を運んでくれる客という概念からして担当者と我々仕分け人でズレがあるなど(要はリピーターという概念が担当者の頭にない)、少々腑に落ちないところもあったのですが、研究ではその点についてもきちんと触れられていました。

実際の事業に研究成果が生かしてもらえればと、改めて感じました。


後半は、研究発表の成果を基にパネルディスカッションが行われました。

コーディネーターは静岡総合研究機構の竹内宏理事長、パネラーは東京大学大学院教授の伊藤元重氏、三菱航空機社長の江川豪雄氏、静岡県の川勝知事、東京富士大学教授の河野英子氏の4名でした。

いずれのパネリストも現在の経済状況は大変厳しいという認識で、いずれは創造的破壊が訪れるから心の準備をし、破壊後を見据えた長期的視点を持つことが大切(伊藤氏)、ものづくりの環境は次第に追い詰められており、力のあるうちに諸外国に追随されないものを見いだす(江川氏)、新東名開通により第二国土軸が生まれ、内陸フロンティアにより、臨海部で生産して即輸出する加工型から内需重視型にシフトする(川勝知事)といった見解でした。

今年は新東名開通という静岡県にとっては大きな変革の年でもありますし、静岡空港にしても国内線より国際線の方が活況を呈するなど、国内での静岡県の地位のみならずアジアの中での静岡県の存在というものをいかに確立するかという点に静岡県の将来はかかっていると思います。
いかに外に向けて情報を発信し静岡県の存在感を高めていくか...。まだまだこれからやることは多いと思います。