2日目は 長崎国際観光コンベンション協会 長崎さるく主催の「通さるく・丸山ぶらぶら思案橋~三味の音もとめて花街巡遊~」に参加することにしました。
その前に朝食のお話から
リッチモンドホテル長崎思案橋に宿泊の場合、朝食が無料で提供されます。
場所はホテル内のレストラン「夜光杯」。
ここの名物が長崎じげもん朝食です。
看板に書いてあるように長崎産の食材を使い、できたて、焼きたてで提供するというのが触れ込みです。
前回来たとき、ここの朝食が大変気に入ってカメラをもって食事に行かなかったのを後悔したのですが、今回はちゃんと持っていきました。
カウンター席に案内されました。待っている人が近くにいるので写真を撮るのは勇気がいるのですが、このシリーズを楽しみにされている方もおられるかも知れないので、撮りました。
特においしいのが、鰺の干物。味付けが絶妙で朝食にはもってこいです。
ごはんはばら寿司です。白いごはんもあるのですが、こちらをチョイス。干物と一緒に味わってもおいしいです。
すり身もおいしかったですね。
そして、味噌汁は豆乳入り。大豆同士のブレンドですが、まろやかに仕上がっています。
こちらの皿うどんもチョイス出来ます。
朝食の後、集合時間まで余裕がありますので、眼鏡橋を見学。
川面に映る橋の影と併せると本当にまん丸いメガネみたいですね。
人気のスポットで、朝早いのに見学者が結構います。
渡ってみると普通の石橋ですけどね。
ホテルをチェックアウトして、いよいよ長崎さるくの集合場所、長崎まちなか龍馬館へ。
少々分かりづらく迷ってしまいました。
受付から確認の電話がかかってきたとき、ようやく発見。
真ん前にいました。
龍馬像がお出迎えです。
こちらで受付を済ませます。
「長崎さるく」の情報はこちらで
http://www.saruku.info/index.php
このページの情報を元に自分で歩くこともできますが、ガイド付きのツアーもあります。
ガイド付きのツアーは要予約。事前にサイトで申し込んでおきました。
「通さるく・丸山ぶらぶら思案橋~三味の音もとめて花街巡遊~」の参加費は500円。
今日の参加者は15名です。
今日の2時間のコースを案内していただくのは、堤真一似のイケメンさるくガイドの方と、料亭・青柳の女将さんと若女将。
浜町のアーケード街を歩き、元青柳のあった場所へ。
路地裏まで入ってみます。
NHKのブラタモリのような雰囲気♪
昭和10年代にここで生まれ育ったという女将さん。
この辺は町境で、他の町内の子供は自分の町内に入れないなんて縄張り争いをしたんだとか。
現在は道路を堺に町名が区切られているケースが多いのですが、その場合お向かいさん同士が別の町内になってしまうので、あえてこのように隣同士が別の町内になるように町が区切られているとのことです。
こちらは唐子地蔵。かつて火事を食い止めたということで信仰を集めているそうですが、ロウソクや線香を無秩序に手向ける人も後を絶たず、今はロウソクをもしたランプが設置されているのだそうで。
寂しいですが、これが現実ですね。
さて、こちらのアーケード街、道幅が6m程度で、電車通りよりひとつ裏手にあります。
でも、立派に国道なんだそうです。
某社の地図でも誤記があったりするんだとか。
行こか戻ろか思案橋。
かつてはこの場所にも川が流れていて思案橋があったそうです。
丸山の遊郭への入口、胸を躍らせる男達の人間臭いドラマがかつてこの地で繰り広げられたのかも知れません。
道端の街路灯の柱に長崎ゆかりの超名人のレリーフがあります。
ここはリッチモンドホテルの前の通り。全然気づきませんでした。
見返り柳。
遊郭でひとときの天国を味わった後町へ帰って行く男達がここから丸山を振り返ったのでしょう。
こちらが大門のあった後。
10数年前まで大門があったらしいのですが、今はこのような状況です。
以前は地元の人でも子供が近寄っては行けない場所として知られていたそうですが、
二つの世界を分けていた大門も今は姿を消し、丸山は観光名所として賑わっています。
一行は円山公園へ。
ここは丸山の遊郭の跡地だそうです。
火事も多い場所で昭和18年に大火があって以来、遊郭は姿を消したといいます。
ここには龍馬像があります。
長崎市内でも龍馬像はたくさんありますが、特に昨年は全国的に激しく増殖したそうです(笑)
こちらの龍馬像は、ピストル、懐中時計、ブーツの「龍馬の三種の神器」を忠実に再現したものとして名高いそうです。
台座の裏手にはハートが刻まれていて隠れた恋愛祈願の名所だとか?
こちらは史跡ともなっている、史跡料亭「花月」です。
そしてこちらは長崎検番。芸子さんのベース基地であります。
かつては市内にいくつもの検番があったそうなのですが、花街の賑わいが薄れるにつれ統合され、今はここだけになったのだそうです。
この日は日曜でしたので残念ながらお稽古の三味の音は聞くことができませんでした。
軒先にいくつかの提灯がかかっていますが、この提灯には所属する芸子さんの名前が書いてあります。
左から経歴順に並べてあるそうです。
実はこの「花音」さんと「こ丸」さんの間には数十年の経歴の差があるのだそうです。
廃れつつあった芸子の世界に飛び込んだのがこの「こ丸」さんだそうで、ガイドのお三方もこ丸さんの勇気を高く評価しておられました。
梅園身代わり天満宮へ。
この天神様を大事にしていた男性が、男に刺された際に全く無傷で、その身代わりに天神様が血まみれになっていたことからこう呼ばれたそうです。
歯痛に効くと言われ、いつしか皆が口の中にあめ玉を入れるようになったという狛犬。
先ほどの花月の直ぐ上にありますので、花月の庭を見渡すことができます。
地元の人ならではの裏話も聞きましたが、あまりネタバレするのもなんですからね。
その他、天満宮という字をなぞると字が上手くなると言う石や、ボケ封じの牛などもあります。
続いて中乃茶屋へ。見事な庭園がありますが,トイレ休憩の時間になってました。
そして最後に、お二人の料亭・青柳へ。
一般の観光客ではなかなか料亭を訪れることなどできません。
ここが、このツアーの醍醐味と言えるところでしょう。
料亭・青柳の見どころは懇意にしていた、長崎平和祈念碑の作者、北村西望にかかる資料の数々です。
女将さんがひとつひとつを丁寧に説明しています。
名誉県民の称号も女将さんの話から生まれたというエピソードも
平和祈念の像の背中には実はこのような碑文が記されているとのことでした。
長崎を訪れた際には是非平和祈念の像の背中にまで注目してみて下さい。
こちらは祈念碑の試作品。
西望氏のご長男から寄贈を受けた物だそうです。
高く掲げた右手は原子爆弾を、左手は平和を表現しています。
続いて二階の広間へ。
いかにも芸子さんが出てきそうな雰囲気です。
二部屋が続きになっています。
部屋の間に細い畳があるのが見えるでしょうか。
ここの部分には敷居のレールの部分を入れることができるのだそうです。
これがレールの部分
ところでこの畳、備前のものを使っているのだそうです。
最近はタバコを吸う人が減ったため焼け焦げが出ることも少なくなり、寿命が長くなっているのだとか。
思わぬ禁煙の効果もあるものです。
床の間の掛け軸もいくつかの軸を取り替えていくのだそうです。
手前に置いてあるのは神社の巫女さんが持つ鈴ですが、これも軸に併せて変えていくのだそうです。
この床の間、目に見えない裏の部分は壁が塗られていないそうです。
と言うのも、完成してしまうとそこがピークになり運気が落ちると考え、わざと未完成の部分を残しているそうです。
「完璧はない、完璧を求めてはいけない」というのは京都の龍安寺の石庭でも聞いた話。
長崎の地でもその教えは生きているのだと思いました。
こちらの建物、築130年あまりだそうです。
浦上方向に面した部分は原爆によって破壊されたとのこと。また経年による狂いで建物が傾いているそうです。
障子も宛て木をして隙間を埋めています。
最後に、敷地内にまつられているお稲荷さんの大祭が前日にあったと言うことで、そのお下がりのお菓子をいただきました。
2時間のツアーもこれにて終了。
普通に歩いただけでは見られないもの、地元の人でなければ分からないものをたくさん見ることができました。
参加者は長崎市周辺、或いは県内の方が多いそうですが、県外からの観光客も利用してみる価値は高いと思います。
さながら「長崎版ブラタモリ」のような体験ができました。