【続・邪推】尼崎脱線事故について | はい、タケコプター

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【邪推】尼崎電車事故 」について
死者107名。
最近にしては大変に大きな事故だと思う。

ダイヤ厳守の要請、日勤教育の恐怖。
当初は運転士の処分歴が大きく報道されたため、態度の悪い運転士の軽はずみな運転ではないかという印象を持ったのだが、事情が分かるにつれ、考え方が変わってきた。

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伊丹でのオーバーラン。
運転士の勘違いか、それまでのスピード出し過ぎによるブレーキタイミングの誤りか、はたまたブレーキ自体の効きが悪かったか、とにかく停止線を大きく越えて停止し、バックした。

伊丹を発車。遅れは1分半だ。とんでもないミスをしてしまった....。
運転士の頭の中は処分への恐怖でいっぱいだったのだろう。

車掌に対し「なかったことにしてください」と依頼した。
車掌は「それはできない」と答え「8mオーバー」と司令に報告した。
無線交信を聞いて、運転士は
「8mオーバーで1分半の遅れでは不自然だ。辻褄合わせをするためには少しでも速く走る必要がある」と考えただろう。
アクセルを入れ続けた。既に速度は140km/h近い
※125km/h程度で走行していたらしい。
処分の恐怖と、限界に近いスピードで運転士は興奮の絶頂だった。

そこへ指令からオーバーランについての無線呼び出しが入る。
「ヤバイ、ばれるかも知れない」
ばれれば、日勤教育、いや二度と運転はできなくなるかも知れない。運転士は背筋が凍り付くような思いに駆られ、前後不覚に陥った。
なおも無線が呼び続ける。....

※無線呼び出しは衝突後だった模様

目の前に急カーブが現れた。
「しまった!」
急制動をかけるが、遅かった。
車両は遠心力に負け、左へと傾いていった....。

邪推であるが、このような状況でなかったかと思う。

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何らかの安全装置があれば、事故は防げたかも知れない。地上に大がかりな設備が必要と言うがそうだろうか。
カーナビを応用してGPSとジャイロで列車の位置を把握し、重量等のセンサーを付け、これらのパラメータを元にコンピュータで演算させれば、高速運転でも適切なブレーキのポイントを運転士に指示できるだろう。
現在の安全システムは列車を"衝突させないこと"に主眼を置いているようで、高速化が進んでいるにもかかわらず、速度コントロールはあくまで運転士の記憶と勘に頼りすぎているように思う。

二度と同じ事故が起こらないように、工夫をして欲しいと思うのだが。