専門家としての良心-光市母子殺害事件裁判 | はい、タケコプター

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欠席弁護人に初の出頭命令 最高裁、光市母子殺害事件

 山口県光市の母子殺害事件で、殺人罪に問われた元少年(25)の弁護人2人が欠席し最高裁の弁論が開けなかった問題で、最高裁第3小法廷(浜田邦夫裁判長)は17日までに、弁護人に対し4月18日の弁論に出頭し、法廷にいることを命じる「出頭在廷命令」を出した。命令は15日付。
 出頭在廷命令は昨年の刑事訴訟法改正でできるようになり、発動されたのは今回が初めて。弁護人が正当な理由なく従わなければ10万円以下の過料に処することができ、その場合は裁判所が所属弁護士会か日弁連に処分を請求する。
(共同通信) - 3月17日17時57分更新


裁判所が強権発動ですね。

 この事件、本当に許せない事件ですが、許せない事件だけに裁判はきちんとやって、法治国家の名に恥じない判定を下して欲しいところです。
 出廷拒否した弁護士って、死刑廃止運動の先頭に立っている反面、過去に逮捕されたりしていて反権力のシンボル的な存在のようで、反権力の論客が擁護論を展開しているようでありますが、やはり専門家としてふさわしくない行動だと私自身は思っています。

 出廷拒否理由はいろいろあるようですが、"日本弁護士連合会が開催する裁判員制度の模擬裁判のリハーサルで、丸一日拘束される"なんて正当な理由にはならないでしょう。最高裁で死刑判決が出るかも分からない裁判と、模擬裁判のリハーサルのどちらが重要かは言うまでもありません。
 準備の時間が足りないというのもどうでしょう?今月6日に新たに就任したこと自体に問題があるのではないでしょうか。裁判の直前に弁護を引き受けても弁論までの時間が足りなくて準備不足になるのは明白だし、そもそもそんな無理な状況で仕事を引き受けること自体、専門職業家としての良心を疑われても仕方ないといえます。
 
 死刑廃止は一つの立派な考え方で、絶対塀の外に出られない終身刑を導入するのもありだと思います。だからこそ、死刑廃止運動をするのであれば、専門職業家として範になるような振る舞いをお願いしたいところです。今の強硬な空気の世論では「死刑廃止は論外。安易に死刑を適用すればいい」という方向に流れてしまいかねませんから。