子規庵訪問 | はい、タケコプター

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備忘録としての日記です。よろしかったらご覧下さい。

NHKのドラマ「坂の上の雲」を放送中ですが、
坂の上の雲に登場する正岡子規の居宅が、台東区根岸にあります。

以前一度訪問したのですが、残念ながらお休みだったので今回訪問してみることにしました。

正岡子規は松山の出身で、松山に行ったとき正岡子規記念博物館
に行きました。
いちばん印象に残ったのは「ベースボールのやり過ぎで体調を崩した」旨を綴った手紙でした。

高校の現代文の授業で正岡子規って出てきましたけど、当時は良く分かんなくてボーッと聞いていました。
とにかく正岡子規って言うと病弱なイメージしかありませんでしたから、野球好きというのは意外でした。

坂の上の雲でも今日の夜の放送で死期を迎えるようなので、子規庵を訪れるタイミングとしては絶好でしょうか。

鶯谷駅

子規庵はJR鶯谷駅から歩いて5分ほどの場所にあります。

鶯谷というとラブホが有名ですね。
しかし、古くからの神社などもあり、文化的な色彩とドロドロした欲望とが同居するようなカオスな街であります。

書道博物館の案内看板

駅前に案内看板がでています。
子規庵と書道博物館は道路を挟んで向かいにありますし、ねぎし三平堂も近所にあります。

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ラブホ街の裏道を歩いてみます。

薬局には、スタミナつきます!みたいな触れ込みでドリンク剤が売られています。
ここで一本ぐいっとやってベッドの上で戦いを繰り広げようって算段でしょう。

歩いているだけでも、ホテルから出てくるカップルとか、一人でホテルに入っていくきらびやかな女性、
はたまた道端にはケータイで何やら話している小太りのオッサン。

あのカップルは"連結作業"やってきたんだなとか、あの女性はデリヘルか?携帯のオッサンはデリ嬢の手配中?
などと、人間観察しながら歩くのは案外面白いもんです。

鶯谷のラブホ街1

中には制服姿の女の子も。
援交か?とも思いましたが、コスプレの線もぬぐえないなぁなどと思ったり。
目があって見込み客だと思われるのも嫌なんで何食わぬ顔で通過。

子規庵外観

そしてたどり着いたのが子規庵です。

門扉の前に何人かがいますが、入っていく様子がありません。
何でだろと思って門の前に行くと...

「坂の上の雲」ポスターと門

なんか閉まってるっぽい...

昼休み

昼休み中だったんですね。

子規庵開庵時間

行かれる方は開庵時間にご注意ください!

ちなみに今の時間は12:50。
10分待っても良いんですが、折角だから歩いてみることに。
ホテル街でまたまた人間観察


じゃなくて日暮里まで。
繊維街を見て靴下を買います。
しかし、かなり気温が上がっています。ジャンパーを着ていると汗だくだくになるほど。

子規庵に戻ると、大勢の見学客が。
やはり坂の上の雲の効果でしょうか。
但し年齢層はほとんどシニア層で、小生が行くのは少々場違いな感じすらします。

子規庵建物

この子規庵は正岡子規が東京の居宅として過ごした場所で戦災で消失したものの再建され、正岡子規が暮らしていた当時のままで保存されています。
東京都の史跡に指定されています。

入庵料

入庵料は500円。
300円くらいかと思っていましたが。

で、この先写真撮影はNG。
理由は分かりませんが。
フラッシュ撮影は特に絵画や美術品に対して強いストレスを与えるので禁止されるのは分かるんですけどね。

庵の中には実際に正岡子規が最後を迎えた座敷があります。
また、座敷には子規が実際に執筆の歳に使ったとされる机のレプリカがあります。
左足が折り曲がった状態で動かせなかったため、膝が机に当たらないよう天板の手前が10センチ四方くらいでくり抜かれていました。

鳥かごにウズラがいたりして下町の静かな居宅の雰囲気です。
ここが都会にあると言うことを一瞬忘れさせてくれます。

子規庵には俳人の高浜虚子をはじめ、多数の歌人や画家、作家などが集まっては句会などが開かれていたそうで、のどかな中でも当時の文化人たちが切磋琢磨しあっていたと思うと小さな感動があります。
皆が集まったという8畳間で紹介ビデオが上映され見てきました。

こうしてみると正岡子規は短い生涯でありながらも、人に恵まれていたのだと感じました。
この庵に集まった俳人や画家、文豪たち坂の上の雲に出てくる秋山好古。
そして、子規の創作活動を支え、病魔に苦しむ子規を献身的にサポートした妹・律の存在は非常に大きかったと思います。律は子規から罵詈雑言を浴びながらも介護を続けたと言います。
兄弟愛というか魂でつながった兄弟だったのではないかなと、ふと思いました。

最後に庭を拝見。庭にはたくさんの草木が繁茂しています。
子規が句に詠んだヘチマの実もこの季節なのに残っていました。

小鳥が種を運んできて植生が変わってしまい当時のままではないようですが、病の床に伏す子規を癒し続けたのでしょう。



『鶏頭の十四五本もありぬべし』

という句は有名ですが、子規庵で咲いた鶏頭の種をお持ち帰りくださいと、小さなビニールの包みに入った種が用意されていましたので、ひとつ戴いてきました。

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12月23日にふろふき大根とココアを振る舞ってくれるそうですので、ご希望の方はお越しください!

街と同じく、かなりカオスな日記になってしまいましたね。



【坂の上の雲 原作本】