BSの字幕版で鑑賞。
とある田舎の小さな銀行に3人組の強盗が押しかけるが、1人は警備員から撃ち殺されてしまい、残り2人はその警備員を撃ち殺して金を奪って逃走する。
強盗の1人はウォルター・マッソー演じるチャーリーという名の中年男性で、もう1人の方は『ダーティハリー』の殺人犯スコルピオで強烈なインパクトを残したアンディ・ロビンソン演じるハーマンという男。
逃走する車の中で待っていた運転手はチャーリーの奥さんなのだが、待っている間に警官と撃ち合いになって警官を射殺するも、自分も撃たれてしまっており、隠してあったバンに乗り換える際に息絶えてしまう。
チャーリーは証拠隠滅のために、逃走してきた車に亡くなった妻を乗せたまま時限爆弾をセットして吹き飛ばしてしまう。
何とか逃げ切って隠れ家に戻った2人だったが、奪ってきた金を確認すると想像を遥かに超える大金が入っていた。
その金はマフィアの隠し金だったのだ。
そして、2人はマフィアから追われる身となってしまう
チャーリーは用心して動いていたが、追手のモリーという殺し屋がチャーリーの隠れ家を突き止め、そこで留守番していたハーマンはボコボコにされた挙げ句、殺されてしまう。
アンディ・ロビンソン・・・今回は割とまともな役だなと思っていたのも束の間、モリーから拷問を受るとピーピー喚きだして、この人なんかいっつもボコられて泣かされてるなぁと苦笑してしまった(笑)
チャーリーに対しては、めちゃくちゃイキってたのに(笑)
ハーマンが殺されたことで、チャーリーはお金を返す代わりに命を狙うのをやめてくれとマフィアに取り引きを持ちかける。
そして、取り引きの場所であれこれあった末、チャーリーが乗る複葉機とモリーが乗る車でカーチェイスとなり、モリーの車にカマを掘られた複葉機がグルリと前転してしまい、真っ逆さまにおちてデザイア状態になったチャーリーは身動きが取れなくなる。
絶体絶命のチャーリーは、ここからどのように起死回生を図るのか…というわけで続きが気になる方は本編を御覧くださいということで(笑)
とはいえ、こんな昔の映画を観る人は限られるでしょうから、一番下の方にネタバレ感想も少しだけ書いておきます。
本編は約2時間で、まあまあ面白かったです。
なんというか、オチが全てでしたね。
でも、そこに至るまでがそんなに面白いわけじゃない。
意味不明な事も多くて、まず取り引きの場所でチャーリーが抱きついた事でモリーに消されてしまったメイナード・ボイルとは何者だったのか。
彼がモリーの雇い主だと思っていたのに、逆上したモリーから轢き殺されてしまったから分からなくなってしまった。
マフィアでもなければ一体何者だったのだろう(調べてみたら襲撃された銀行の本店の頭取で、マフィアから横領を疑われている立場にあったとの事で納得。言われてみればそうだったなと記憶が蘇ってきた。というのもこの映画を観てから5日ほど経っているのでw)。
ちなみに、本作のすぐ後に観た『特攻野郎Aチーム』のシーズン2第8話に、このメイナード・ボイルを演じたジョン・ヴァーノンが出ていたのは奇遇でした。
それと、チャーリーがメイナード・ボイルに取り引きを持ちかける際、メイナードの秘書?と思われる若い女性の自宅におしかけて電話をするのだが、その後すぐにその女性と良い仲になって一夜を過ごすのもよく分からない展開だった。
その女性から「魅力的な人」と言われていたけど、いやいやどう見ても冴えないおっさんにしか見えないわけですが…。
これがポール・ニューマンやロバート・レッドフォード、スティーブ・マックイーン辺りならまだ分かるものの、ウォルター・マッソーでっせ??(笑)
この映画では凄い切れ者の二枚目を演じていて、これが不思議とそれなりにはまっているようにも見えるんだけど、それでもさあ…っていう(笑)
盗んだ金が実はマフィアのものでしたという話は、昨年観返したばかりの『トゥルー・ロマンス』と似たような設定ではあるけど、あの映画ではたくさんのマフィアが追ってきたのに対し、本作で追ってきたのはモリーただ1人だけっていうのも、いまいち緊迫感に欠ける気がした。
これだけの話なら90分にまとめてテンポよく展開した方がもっと面白くなったような気がする。
ダーティハリーのドン・シーゲル監督作という事でちょっと期待してたけど、期待していたような内容ではなかったという感想になってしまうかなぁ。
これはこれでそれなりには面白かったけど。
そんなわけで、満足度は・・・76点。
ネタバレ感想
絶体絶命の窮地に追い込まれたチャーリーは、モリーに脅されて金は車のトランクの中にあると吐いてしまう。
勝ち誇ったモリーが近くに停めてあったチャーリーの車のトランクを開けると、そこにあったのはハーマンの死体で、異変に気付いた瞬間、車が盛大に爆発する。
チャーリーは飛行機の曲芸師をやっていたので、恐らく自らのコントロールによって派手に複葉機を前転させただけで、実は身動きできる状態だったのだ。
爆発した車から少し離れた場所の車の上に、丸焦げになった憐れなモリーの死体が飛んできていた事が笑えてしまった。
というのも、『GTA5』で爆弾を使って焼死体を量産するという悪趣味な遊びをしていた事があるのだけど、その時の丸焦げになった死体と重なって見えたからだろう。
(↓実際に私の毒牙にかかった憐れな被害者)
モリーをまんまと出し抜いたチャーリーは、隠していた金を持って悠々自適に去っていくという形で物語は幕を閉じた。