『機動警察パトレイバー the Movie』(1989)の感想 | 後追い80's

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80年代カルチャー発掘備忘録

 

パトレイバーのコミック版を全巻読み終えたので、劇場版1作目を観てみました。

 

 

89年の夏にSDガンダムの映画を観に行った際、この劇場版が同時上映だったのですが、あまりにも退屈で眠りに落ちてしまい、友達から鼻を摘まれて起こされたというエピソードはこれまでにも何度か書いてきました。

 

そして、2000年代の後半辺りに友人から勧められてパトレイバーの劇場版を何作か観た記憶があるのですが、内容もさっぱり覚えていないし、つまらない以外の印象が残っていませんでした。

 

よって、恐らく今回が人生3回目の鑑賞だと思われますが、その感想を書いていきます。

 

 

まず、子供の頃の私が眠りに落ちたのも当然だと思いましたね(笑)

 

演出や間のとり方などが妙に睡魔を誘うものがあるからです。

 

今回も何度かウトウトしてしまいました。

 

 

そして、内容を1ミリも覚えていない事にも納得でした。

 

1時間半も尺を取っている割には、何だか残るものがそんなに無いんですよね。

 

作品が描こうとしているテーマが深いのは分かるものの、心に訴えかけてくるものが希薄といいますか。

 

 

今回はコミック版を読んで、特車二課の面々をはじめ、パトレイバーに登場するキャラクターをしっかり把握した状態で観た事もあって、話は普通に理解する事が出来ましたが、理解できたところでやはりそんなに面白いとは思えない…というのが正直なところです。

 

これ、登場キャラを全く知らずいきなり劇場版から観たところで、何が面白いんだか分からないと思うんですけどねえ。

 

コミック版はちょっと難しいような話でも凄く分かりやすかったけど、劇場版はやっぱり分かり辛い部分があったり。

 

 

良かった点を挙げますと、作画(特に冒頭のアクションシーンやメカ描写)は80年代とは思えないぐらい凄いクオリティだと思いました。

 

音楽もなかなか良かった気がします。

 

ただ、それ以外に良かった点が思い浮かばず…。

 

 

先にコミック版を読んでしまったせいか、声がイメージと違うと感じる事が多かったですね。

 

特に後藤隊長や山崎ひろみちゃんは私の脳内イメージと違いすぎて違和感が強かったです。

 

おやっさん(榊さん)はイメージ通りでした。

 

進士さんはさほど違和感なかった気がします。

 

泉野明はあそこまでキュートな声ではなかったんですけどね、私のイメージでは。

 

でも、慣れそうな感じはしました。

 

遊馬の声が古川登志夫さんなのは嬉しかったものの、脳内イメージとは少しだけ違ったかなぁ。

 

太田さんもイメージとは若干違いました。

 

シゲさんの声は千葉繁さんなのが嬉しく、違和感もありませんでした。

 

 

そうした声の違和感のみならず、キャラの性格もコミック版と微妙に違うと感じました。

 

ひろみちゃんが野明に対してタメ口で話していたけど、コミック版では敬語だった気がするんだけどなぁと思ったり。

 

香貫花なんて、もはや別人じゃないかと思うぐらい違ってたし(笑)

 

まあ、コミック版とは設定からして違うわけですが。

 

 

キャラデザにも違和感があって、野明も南雲さんもコミック版の方がずっと魅力的で見た目も可愛く見えます。

 

あと、イングラム2号機のおデコが黒くないのも違和感があります(あれが1号機との見分けをしやすくしているだけでなく2号機のカッコいいポイントなのに)。

 

フィギュアや模型などは、基本的に劇場版をモデルにしている物が多いのか、おデコが黒くない2号機ばかりなので、コミック版が好きな私にはコレジャナイ感があるんですよね。

 

 

 

 

 

太田機は絶対おデコが黒い方がカッコいいと思うのですが。

 

今調べてみたら、おデコが黒い2号機も出ているには出ているという事が分かりました。

 

 

 

 

 

 

やっぱり太田機はこちらだと思ってしまいますね。

 

 

 

劇場版という事でメカアクションにも期待していましたが、正直それほど見応えは感じられませんでした。

 

イングラムと零式の戦闘はアニメ史に残る名場面だと何かで語られていた気がしますが、私にはあまりピンときませんでしたね。

 

コミック版と違って今後も観返したくなるような魅力や親しみも感じられず、全般的にイマイチという印象でした。

 

 

結論として、やはり押井監督の作風は肌に合わないと改めて確信しましたね。

 

これは良し悪しの話というより、私の感性との相性が良くないのでしょう。

 

少し前に押井監督のインタビュー記事が目に留まったので読んでみたらとても面白くて、そのサイトで読める記事は全て読んでしまったぐらいなのですが、あれだけ話が面白くても肝心の作品の方は楽しめないというのが残念に思えました。

 

 

劇場版2作目は押井さんの作家性が前面に出ている上、2時間もあるようなので、観るのが億劫になっています…。

 

『X年後の関係者たち』でチラッと見たところ、南雲さんのキャラデザがコミック版と全然違っていて、どこかのオバさんになってたし…。

 

でも、まあそのうち観ようとは思っていますが。

 

コミック版を読み始めた当初にも書いた通り、やはりこの劇場版だけでは私がパトレイバーのファンになる事は無かったと改めて実感しました。

 

劇場版では特車二課のメンバーの魅力もあまり感じられませんでしたし。

 

コミック版に続いて、こちらも事前の予想通りという結果になりました。