89年に稼働開始されたタイトーの横スクロールアクションRPG。
戦士、魔法使い、僧侶、忍者の4タイプから使用キャラを選択し、王様に頼まれて悪魔バーログにさらわれたサラサ姫の救出に向かうという当時の王道ファンタジー。
通常のRPGと同じく敵との戦闘で経験値を上げる事によってレベルアップしていくシステムで、レベルアップに伴い各種能力の数値がアップしていき、同じく武器や防具などのアイテムを購入していく事でも戦闘力を上げる事ができる。
ちょっと感心したのは、新しい武器や防具に買い替えるとちゃんとビジュアルに反映される事。
当時はそれすら出来ていないようなゲームがたくさんあっただけに、こういうちょっとした事でも得した気分になってしまう(笑)
最初は無難なところで戦士を選択してゲーム開始。
レバーと2ボタン(攻撃&ジャンプ)というシンプルな操作なので、直感的にすぐ進める事ができる。
RPG要素があるという事は人との会話も発生するわけで、ゲーム内言語が日本語なのは凄くありがたかった。
これがミニパンドラボックスだったら恐らく言語は英語の可能性が高いから、本当にレトロペディア様様だ。
ただ、人に話しかける際のボタンが攻撃ボタンに設定されているので、話しかける度に相手に向かってバシュッ!バシュッ!と大きな音を立てながら剣を振り回す事になるわけで、傍から見たらかなりシュールな光景だろうし、ただの危険人物にしか見えず笑ってしまった。
80年代終盤(ほぼ90年)の作品だけあってか、グラフィックも程良いリアル感があって好印象。
サウンドもアーケードゲーム特有の迫力や響きがあって心地良い。
ゲームを開始してすぐに「このゲームは味があるな」と気に入ってしまったのだが、その味を生み出しているのがグラフィックとサウンドのクオリティだと感じるし、ゲームの楽しさの8割ぐらいはその恩恵によるものだと思えた。
全クリまでのボリュームは長すぎず短すぎず、ちょうど良い感じ。
RPG要素があるものの、詰まってしまうような意地悪な仕掛けなどはなく、ほとんど迷子になる事もなくスムーズに進める事ができたのは好感が持てた。
宿でHPを回復したり、HPを回復するアイテムとして薬草が売っていたりするのだが、基本的には無限にコンティニューできるようなので、体力回復には一切お金を使わず武器と防具のグレードアップと毒消しのみに使った(笑)
戦士の最終装備がゴールドの兜、鎧、盾となっていて、武器屋でそれらを買ったらビジュアルにも反映されて全身が金色になった時は、やはり聖闘士星矢世代だからか凄く強くなったような気分になれて嬉しかった(笑)
そして、最終装備の剣が光って点滅しているのも綺麗でカッコいい。
途中で出現するボスキャラは巨大なスライムの集合体やクラーケン(巨大なタコ)や炎の巨人など。
ラスボスのバーログは魔法使い風の外見だけど、一定のダメージを与えたらいきなり竜の首がニョキっと生えてきて巨大な赤いドラゴンに変身(こっちが真の姿という事だろうけど)する。
それを倒したらエンディング。
全クリ後、今度は使用キャラを魔法使いに変えてちょっとだけプレイしてみた。
序盤は魔法が使えないのだろうと思い込んでいたら、ボタン長押しで使用する魔法を選択して使える事に途中で気が付いた。
これは戦士よりも面白そう。
いつか気が向いた時にでもまた続きをプレイしようと思う。
一口にファンタジーのゲームといっても多種多様だけど、本作はグラフィックやサウンドのみならず、世界観も含めて全般的に好みの部類に入る内容だっただけに楽しめた。
ちなみに本作はPCエンジンやメガドライブやPS2などにも移植されているようです。