【映画感想】『ファーゴ』(1996) | 後追い80's

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80年代カルチャー発掘備忘録

 

『ファーゴ』(1996)

 

 

BSの吹き替え版で鑑賞。

 

90年代後期に字幕版を観たきりで、内容は1ミリも覚えていなかった。

 

カーディーラーの営業主任が借金返済の為、自分の妻を誘拐させて会社のオーナーである義父から身代金を奪おうと計画するのだが、誘拐を依頼した2人組のチンピラが杜撰すぎて、逃走途中で警官を撃ち殺し、その現場を目撃したカップルまで殺したりと、どんどん事件がエスカレートしていく。

 

そこから更に中心人物たちもどんどん死んでいって・・・と、ただそれだけの話を淡々と描く内容。

 

そもそも、事の発端はカーディーラーの営業主任の借金なわけだが、その借金の理由が全く語られなかったのが腑に落ちなかった。

 

 

冒頭で「実話に忠実に制作された」といった説明が入るが、今ネットで調べてみたらそれは嘘で、この映画が実話であるというウソの演出まで含めたブラックコメディという事らしい。

 

ブラックコメディも千差万別、色々とあるが、私にはこの内容で笑える感覚が理解できない。

 

シュールを通り越して、ただただ胸くそ悪いだけだった。

 

内容的にはつまらなくもなかったものの、終盤20分に差し掛かるまでは何度も時計を見てしまった。

 

95分ですら長く感じられ、ハッキリ言って時間を損した感覚の方が強い。

 

私には観る必要のない映画だった。

 

・・・という結論で締めようと思っていたのだが、何だかジワジワとボディブローのように効いてきた。

 

この映画、妙に印象に残る。

 

時間が経つにつれ、余韻が大きくなってきている。

 

何なんだろう、これは。

 

面白いテーマでもなかったから、さほど集中もせず適当に観たつもりなのに、ほぼ全てのシーンが頭に入っている。

 

もう二度と観返すつもりも無いし、好きだとも思わないのだけど、無下に扱う気にもなれない。

 

そんな不思議な映画。

 

 

先日観た『デスペラード』に続いて、またもやスティーヴ・ブシェミが出ていた。

 

役柄とはいえ、何度も変な顔、変な顔と言われていてちょっと気の毒だった(笑)

 

個人的に好きな個性派俳優だけど、いつからか全く見なくなってしまったなぁ。

 

 

警察署長を演じたフランシス・マクドーマンドも個性的で好きな女優さん。

 

顔は認識していたけど、名前は今回初めて知った。

 

本作の満足度は・・・74点