ナイフを振り回している通り魔に対して一気に距離を詰める。
通り魔が急に近付いて来た人物に気をとられて、動きを止めた瞬間に右手に構えた木刀を下方から振り上げだ。
その速度はバッティングセンターで150kmを打ち返した時よりも数段速い。
一瞬だけ鈍い感触が木刀に伝わり、通り魔の腕から鈍く大きな音が弾き出される。
続いて足を払う、払われた足は地面と別れを告げ、通り魔の体は中に浮いた。
浮いた体に木刀を押し付け下方に押し込む、通り魔の体は勢いよく地面に叩きられた。
更に木刀を縦に一降り、ガンという音と共にナイフが深々と通り魔の首の近く地面に刺さった、通り魔の首から一筋の血が流れていた。
首に木刀を押し付ける、通り魔は急な出来事に動転し、泣きながら『痛い、助けてくれ』と命ごいをした。
「私はあなたが何故このような行為に至ったのかは知りません、もしかしたら心に凄い傷を負っていたのかもしれません、ただ、『殺される覚悟も無く人を殺そうとする輩』が大嫌いなんですよ、助けてと言う人にナイフを刺し、自分が同じ目にあったら命ごいをするような人がね。」
涼子は冷たい目で取るを見下ろしていた。
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