「今昔饗宴千本桜」を観ました。
「こんじゃく〜」と読んでいましたが、読み方は「はなくらべせんぼんざくら」。
歌舞伎俳優・中村獅童とバーチャル・シンガー・初音ミクが魅せる物語は、「ニコニコ超会議」の中の、イベントのひとつとして2016年から始まりました。
歌舞伎の本興行として全国4都市を巡演し、「超歌舞伎」誕生から8年の歳月を経て、ついに歌舞伎座に。
歌舞伎がバーチャルとの共演???
超歌舞伎が始まった頃は、反対はしないけれど、私は観なくていいやと何年も思っていました。
しかし、今回は大ファンである中村勘九郎さんと中村七之助さんが初出演されるので、一度観てみようかと思いました。
歌舞伎座地下1Fにペンライトが販売されていました(300円)。
300円だし、買おうかと思いましたが、年齢的にもペンライトとは不調和な気がし、そもそも使ったこともないので購入しませんでした。
しかし、第一部の最初の演目『旅噂岡崎猫』(巳之助が軽やかな身のこなしで化け猫を好演、終始ワクワクしました)の後、ペンライトを配っていたのでいただきました
幕が上がると、主演の中村獅童さんが登場しペンライトの使い方を指南。
観客も参加型というのを強調されておられました。
「超歌舞伎」と銘打って、古典歌舞伎では到底考えられなかった舞台演出で、更に驚いたのは、ペンライトを持っていないお客さんは「スマホのライトを付けてもいいですよ」と。
舞台は、篝火をバックに、ヴァーチャル・シンガーの初音ミク(美玖姫)と、中村獅童演じる佐藤忠信が共演する妖艶なシーンをはじめ、舞台演出には最新テクノロジーが導入されていました。
また、中村獅童さんの次男・小川夏幹(3歳)君は初お目見え。長男の小川陽喜(5歳)君と共に、舞台終盤に親子共演がありました。小さいながら、セリフもきちんと言え、見得を切った姿も立派でした。
歌舞伎の客席には、ミクちゃんの法被を着たグループや、キャップを被り首にはタオル、手には大きなペンライトを何本も持った、普段歌舞伎座では目にしない観客の方も結構おられました。
歌舞伎ファンからは批判が出ることも予想されたうえで、松竹さんは思い切った英断をされたと思います。
江戸時代から、伝統を守りながらも当時の流行や最新技術を真っ先に取り入れて、エンターテイメントで大衆を沸かせていたのかもしれません。
最先端のデジタル技術と伝統芸能の歌舞伎の融合が絶妙でした。
しかし、絶妙とは思いながらも・・・
抑揚のある歌舞伎役者さんの声と、初音ミクちゃんの1本調子の話し方に終始違和感を覚え、掛け合いもしっくりせず。「頭を柔らかくして!」と自分に言い聞かせていました。
2024年5月に上演される「歌舞伎町大歌舞伎」をより一層観たくなりました。
頭と身体に付いた桜の花びらの形をした紙吹雪
床や座席の間にもたくさん落ちていたので、第二部開演前のお掃除大変だろうな。