5月29日19時 NHKホール

指揮:アンドリス・ポーガ

ヴァスクス/感謝の歌(2026)[NHK交響楽団、ラトビア国立交響楽団、ミュンヘン室内管弦楽団、オーストラリア室内管弦楽団 共同委嘱作品/日本初演]
ショスタコーヴィチ/交響曲 第4番 ハ短調 作品43

5月の定期は、ABC定期を別々の指揮者が振る、3人目はラトビア出身のアンドリス・ポーガ
フィルハーモニーの紹介分には、「N響とは2013年の初共演以来、たびたび共演を重ねる。」とある
おかしいな、ここ5、6年のN響定期では見ない名だ、こういうときこそ、演奏記録アーカイブだ
確かに2013年に、オーチャード定期とC定期を振っている、しかし、その後は2018年、2023年に共演しているが、定期ではなく特別公演や地方公演が3回ずつ、私の感覚では「たびたび共演」には思えないのだが、事務局との間には一定の信頼感があるようだ

閑話休題、1曲目のヴァスクスはボーガと同郷ラトビアの作曲家で日本初演となる
N響共同委嘱作品の演奏に初演者のボーガが指名されたわけか、合点
演奏は14型の弦楽で、コンマスはジュリアン・ズルマン、この人も初めましてだ、なぜ彼が呼ばれたのかは不明

感謝の歌、フィルハーモニーによれば「彼の作風は、深い信仰心の表明と合わせて、エストニアのアルヴォ・ペルトに近い」とある
確かに静謐な感じはペルトを想起させるが、ペルトほどの宗教色は感じなかった、
むしろ先日、日フィル定期でサミー・ムーサのエリジウムに近い快い作品だった
作曲者の登壇は無し

後半は演奏機会が少ないショスタコ4番、個人的には、昨年新響で迫力の演奏を聴いている
折角なのでN響の演奏履歴を見ると1989年にヤノフスキ、1994にデュトワ、2002年にアラン・ギルバート、2006年にアシュケナージが振っている
以前は、約5年周期でコンスタントの演奏されていたが、今回は20年ぶり

オケは16型に増強、管楽器、打楽器も次から次から、
ショスタコの交響曲の中でも4番はロシアンアバンギャルドの香りが強い良作と思っているが、作風は晦渋だ、
しかし、作品の理解度が低いながらも、満足度が高かった
というのも、上記「たびたび共演」が名曲コンサートだったが、今日の演奏でポーガが統率力の高い、有能な指揮者であることが分かったからだ

強奏で終わらない4番を演目にかけたボーガの胆力に敬意を表す、
フェドセーエフは、昨年ののキャンセルもあり、高齢なことから、今後の来日は難しいだろうし、ヴェデルニコフがコロナに倒れた今、N響ではロシア作品を振れる指揮者が不足しているのだから、ボーガの存在は貴重に思えた